Cause – Rodriguez / ロドリゲス の和訳。ロドリゲスの代表曲のひとつ。非常に示唆に富んだ物悲しい曲で、恋愛、仕事、人間関係、人生の様々な側面における挫折や絶望が詰め込まれている。
MV
Cause – Rodriguez 和訳
クリスマスの2週間前、職を失ったから*1
ザ・スーワーでキリストに話しかけた
すると教皇は、それは神にとってはくだらない話だと言った
雨がシャンパンを飲み干す中
僕のエストニアの大天使は現れ、僕を酔い潰した*2
今までで一番甘かったキス、それを僕は味わったことがない
ああ、でも、僕のボーナスはモリー・マクドナルドに渡すことにしよう*3
ネオンの女性、美しさは服従する、それは買うか、借りられるものだ
僕の心は、噂まみれの荒廃したホテルになった
でも指を差される外れ者のため、家賃を払うのは僕だ
そして毎晩、僕は30分間の固い絆を16人分作っている*4
君のハートの女王は半分石だから
一人で笑うのが好きで、君を追い出そうといつも脅迫する
ああ、でも、彼らはウィリー・トンプソンでトークンゲームをする*5
そしてアニー・ジョンソン夫人の息子をトークンに取って代えた
誰もが代償を払うべきだと彼らは言う
だから僕は説明した、僕はもう彼らに払い過ぎているんだと
いい加減待たされ過ぎて、僕は会社の売店に行った
そしてそこにいた店員は、たった今強盗が入ったと言う
だから僕は涙粒の中へ出航し、扉の下へ逃げ出した
なぜなら彼女の香水の匂いは、僕の頭からまだ離れない
僕が見ているここの人々は、太陽を溺れさせようとしている
週末のウィスキーサワーで
この漫画の中で、何度僕らは目覚めて
花を植えることができるんだろう
注釈
*1 「Coming from Reality」は発売当初全く売れなかったため、間もなくロドリゲスはレーベルから契約を切られた。奇しくもそれがクリスマスの2週間前だったという。ザ・スーワーはデトロイトにあったバーで、ロドリゲスがかつてパフォーマンスを行っていた場所。
*2 エストニアの大天使は、ロドリゲスの友達「ヘイッキ」のこと。
*3 モリー・マクドナルドは架空の人物だが、molly=MDMAなので、ここでは薬と娼婦にボーナスの金を注ぎ込んだことを意味する。
*4 バーで出会う人々と親密になったつもりでいるが、いずれも一晩限りの希薄な関係性でしかない。一方でハートの女王は恋人のことであり、恋人は石のように冷たい。
*5 トークンゲームは、メダルゲームとトークニズム (建前だけマイノリティを受け入れること) を指している。ウィリー・トンプソンはおそらく朝鮮戦争で戦死し名誉勲章を与えられたアフリカ系アメリカ人のことを指していると思われる。母親からすると息子が戦争というゲームにおいて「トークン (メダル)」に変わって戻ってきただけだ。