Dirty Blvd. – Lou Reed / ルー・リード の和訳。犯罪多発都市であった80年代のニューヨーク、貧富の格差が拡大し、汚職警官が力を持っていた。自由の女神ならぬ「偏見の像」に刻まれた詩は、貧しい移民を受け入れるのではなく、痛めつける内容に書き換えられている。
MV
Dirty Blvd. – Lou Reed 和訳
ペドロが住むのは、ウィルシャー・ホテルの外
ガラスのない窓を、彼は覗く
壁はダンボール、足元には新聞紙が敷かれる
物乞いに疲れ果てると、父親からは殴られた
彼には9人の兄妹がいる
全員が跪くことを覚えて育った
ペドロの夢は、大きくなったらあの老いぼれを殺すこと
しかしその可能性はほぼない、だから彼は大通りへ出た
結局辿り着くのは、この汚い大通り
彼は出ていく、この汚い大通りへ
彼は向かう、あの汚い大通りへ
この部屋代は月に2000ドル
これが、紛れもない真実だ
どこかでは大家が笑い転げる、漏らしてパンツを汚すまで
ここの人々は、医者や弁護士のような職に就こうなんて思わない
憧れるのは、汚い大通りでの密売人
飢え、疲れ果てた、貧しい民を送りたまえ、私が小便をかけてやろう
偏見の像には、そう刻まれている
貧しく身を寄せ合う群衆を、死ぬまで棍棒で殴ろう
早々に終わらせて、大通りに捨ててしまえ
追い払え、あの汚い大通りへ
出て行け、あの汚い大通りへ
彼らは屈する、あの汚い大通りで
出て行け
外の方は、眩しい夜だ
リンカーン・センターではオペラが上映される
リムジンで到着する映画スターたち
マンハッタン・スカイラインをクリーグ灯が輝かせる
一方でミーン・ストリートに光は灯らない
小さな子どもは、リンカーントンネルのそばに立ち
1ドルでプラスチック製のバラを売る
39番街まで渋滞が起きている
トランスの娼婦が一発やろうと警察に呼びかける
ウィルシャーに戻ると、ペドロは座って夢を見ていた
そしてゴミ箱から、魔法の本を見つけた
その絵を見たあと、彼はひび割れた天井を見つめた
「3を数えれば」彼は言った「自分が消えていきますように」
そして飛び立つんだ、こんな汚い大通りから
飛び去りたい、この汚い大通りから
飛び去りたい、この汚い大通りから
飛び去りたい、この汚い大通りから
飛び去りたい…