Behind Bars – Slick Rick の和訳。従兄弟を殺害した罪で実刑判決を受けたスリック・リックは、これをリリースした頃も服役中であった。この曲では獄中での過酷な生活が綴られている。
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和訳
「こういうことは、毎日起きる」…
牢屋の中 でも俺は無実だ
裁判官は屁理屈を言う 慈悲は皆無だ
ここはカミソリの刃でできた町
この状況に対して叫びながら 敵どもの狂った目が見えた
俺の車はロールスロイス 「おい、そこの金持ち、そいつのサイズはいくつだ?」
電話したい「俺もだ」 そして別の男が現れて襲撃を始めた
襲われたガキは まるで電話の切り方も知らないかのように 家へ電話していた
まあ辛いんだろう 1分そこらで時間切れと叫ばれるんだ
そして売店に行ったら あれを買え、これを買えと言われる さもなくば
お前に付き纏って離れない — そして奪い取られる「お前は大丈夫か?」 そんなわけなかった
死ぬまで殴られる — 「お前は助けてくれないのか?」
今日は休みだったことを忘れてた
頭を上げて 相撲ほどの重さを車のスピードに掻き消そう
その方がここに座って傷を増やすよりもいい 鉄格子の向こうで
鉄格子の向こうで…
電話だと気が大きくなるが すぐに女は全員消えていった
奴らは時計を盗んで ドナは服を全部脱ぎ捨てた
下着なんて構ってられない 俺の服はそれを悟った
牢獄には毎晩ネズミが出入りしてるみたいで
まだ家に帰れない まるでフックにでもかかってるみたいに いろんな奴らがこっちを見てる
外が恋しい 奪われた時にしか大切なものに気づけない
そして恐怖を感じた瞬間、その光景が焼き付けられる
牢屋の中では 体を鍛えるかラップを書くかだった
「お前よりもビッグになってやるよ」そいつの名前は聞いたこともなかったがな
俺のラップを読み上げろ 俺はそいつを殺すつもりだった
いや冗談だ、悪意はない、やっと終わりを迎えられたんだ
請求は棄却された 「でも裁判長」と地方検事長が静かに割って入り
裁判長にこう言った「彼を釈放しないでください」 こいつは戦争を引き起こした
でもそれだけじゃない クソ野郎のパンツを洗うのを俺が拒否したせいでもある
頭を上げて 相撲ほどの重さを車のスピードに掻き消そう
その方がここに座って傷を増やすよりもいい
鉄格子の向こうで…
「どのケンカのことですか? そいつ様子が変なんですよ、担当さん」そいつが他の奴らを怖がらせたのかもしれない
でも声を張り上げることはできない 「担当さん、あいつです」
そいつが俺を仕留められなくても仲間がやるだろう 俺には道具が要る
結局、そいつの目玉を鉛筆で突き刺すことになった
放心状態で、そいつは悲鳴を上げた 俺は言った「今度は何の用だ、裏切り者がよ?」
そして警官は俺を独房に入れた 今度お前に会うのは 1か月後くらいだな
雑居房に戻っても そいつらの気は張り詰めてるがどうでもいい
電話の優先順位なんかな 判決ではさらに数年の懲役刑が科された
まだ思い出すと寒気がする 俺は逃げ出したんだ…
やめとけ、ストーブには近寄るな 奴らにレイプされるから
でも助かった、未遂だった そいつはその件を追及されてから喚き出した
すると警官がやって来た「リッキー・ウォルターズ、荷物をまとめろ、保釈だ」
警官はレイプ現場を見てない あの野郎は大勢に告げ口するんだろう
すぐに引き金を引いて、どうせお前はここに元通りだ、クソ野郎が
オ・ルヴォワール、俺はビッチやスターとデートする日々に戻ろう
とりあえず今だけは、傷を増やさないでおこうか
鉄格子の向こうで…
解説
事件の概要
1989年にリックの母親は、リックの従兄弟であるマーク・プラマーをボディガードとして雇った。しかしマークは手癖が悪く、何度も金を着服しようとしたために解雇された。その対応に不満を持ったマークは、懲りずに何度も盗難未遂を繰り返し、さらにはリックとその母親に対して殺人予告までするようになった。リックは自宅のドアにあった弾痕を発見してから、保身のために銃を携帯するようになる。そして1990年7月3日、リックは近所で徘徊していたマークに向けて4発を発砲し、1発はマークに、そしてもう1発は通りがかりの通行人の足に当たった。マークは死亡した。
当初の判決は懲役2年だったが、歌詞にあるように延長されて結局5年間を刑務所で過ごした。リックはラッセル・シモンズの支援によって保釈された。
靴と電話
「What size are those?」は靴のサイズを聞く表現で、アメリカの刑務所内ではよく飛び交っている言葉らしい。これを聞く目的は、盗みを働く品定めをする場合が多い。逆にこれを聞かれたときに警戒して相手をナイフで刺す囚人もいるため、いろいろな意味で要注意な表現である。リックは明らかに金を持っていたため、狙われやすかったようだ。
刑務所内の電話はダイヤモンドくらいの価値がある、とリック自身が語っている。電話を長く独り占めしていれば、暴行を受ける理由に十分値するらしい。実際に、電話を取り合って殺し合いに発展することもあったようだ。
使用されているサンプル
- 「La-Di-Da-Di」ダグ・E・フレッシュ、スリック・リック
- 「Living for the City」スティーヴィー・ワンダー
- 「Top Billin’」オーディオ・トゥー
歌詞