Phantom Island – King Gizzard & The Lizard Wizard の和訳。「Flight b741」に続く27枚目のアルバムからのリードシングル。この曲は「幻の島」というタイトルが示す通り、精神的錯乱状態の旅が描かれている。
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和訳
夢から目覚めると
行ったことも、見たこともない場所に俺はいた
だから馬を準備した、その時は何もかもが順調に見えていた
そして最寄りのスピークイージーを見つけて、強い酒を注文すると
くそっ、ここで気が狂うなんて思いもしなかった
正気は失くいやすく、見つけにくいものなんだろう
おい、あのベルの音が聞こえるか?
またコウモリが鐘楼にいるのか?*1
陸に浮かぶ幻影が海面を割る
これは精神の錯乱なのか、それとも遂に俺は目的を見つけたんだろうか?
ココナッツのコンガがカメのワルツに合わせて鳴っている
思考が奴らの目的に気づくと、妄想のシンフォニーが響き始める
朝になっても、この場所がここにあることを願う
そうでないと、水膨れした死体と一緒に陸へ戻ることになる
ヤシの木は、敵意を持ちながら横目で俺を見ている
思考が奴らの無知に気づくと、妄想のシンフォニーが響き始める
妄想が拡大する
あれは笑い声なのか、カラスの鳴き声なのか
木々のざわめきは、どれも罠のように思える
目を閉じて、耳を塞いで
紐を切って、俺をここに置いて行ってくれ
幻の島
俺は影を追いかけてるんだろうか?
現実が重なり合う
砂に残る足跡すべて
枯葉のひび割れる音すべて
近づいて砕ける波すべて
そよ風のささやきすべて
雲の中の形すべて
場違いな星すべて
俺が信じるものすべて
すべて海に投げ込んで、自由になろう
16頭の馬が駆け抜ける
12年もの間、グラフを書き、格闘してきた
雄牛の角をつかんで
この腰に感じる
月に洗われた不自由な周期
打ち寄せる波、押し寄せる洪水
コインの表裏
それはまた一つの転機
幻の島、精神病院
幻の島、精神病院
俺は雌鹿、猫、犬
一般人に真の神はいない
過ぎたことは忘れよう
セトとテュポンにひれ伏せ*2
リズミカルなグルーヴの長いラグーン
飛び込んで、駆け抜ける
幻の島、精神病院
幻の島、精神病院
幻の島、精神病院
はっきり鳴り響くサイレン
ヤシの木、頭は揺れる
精神の海に閉じ込められて
神様、俺だよ、ここで鋭い崖にぶら下がってるんだ
俺たちは海に戻らないといけない
脚注
*1 「bats in the belfry(鐘楼のコウモリ)」は、精神の錯乱を表すイディオム。
*2 セトはエジプト神話に登場する戦争の神で、2023年のアルバム「The Silver Cord」に収録されている曲「Set」のタイトルにもなっている。テュポンはギリシア神話に登場する神/怪物。
歌詞