Nesso – Heilung / ハイルング 和訳

Nesso – Heilung / ハイルング の和訳。「Contra vermes」という「寄生虫の呪文」を基にした曲。「ネッソ」は古高ドイツ語で「虫」を意味する。古代において病気の痛みは虫が原因だとされ、虫が出て行けば痛みは消えると信じられていた。

MV

Nesso – Heilung 和訳

出て行け、ネッソ、小さな9匹の子とともに
骨髄から骨へ
その骨から肉へ
その肉から皮膚へ
その皮膚からこの矢へ 出て行け
主よ、そうしてください

  • 原詩
Gang ût, nesso, mid nigun nessiklînon
Ût fana themo margę an that bên
Fan themo bêne an that flêsg
Ût fan themo flêsgke an thia hûd
Ût fan thera hud an thesa strâla
Drohtin, uuerthe sô!

注釈 / 解説

この詩は古高ドイツ語と古ザクセン語が混じっているため、ドイツ低地でサクソン人が唱えていた呪文だと考えられる。先述の通りこれは病気を治すための呪文で、病気を患者の体から矢に移し、それを誰もいない場所へ放つことで痛みが消えると信じられていた。

「メルゼブルクの呪文」や「馬の呪文」と類似する内容であることから、特に馬が足を痛めた時に使われていたと言われている。ただしハイルングのこの曲においては、死に近い愛犬を想って歌っているようだ。現代人の観点からすると非科学的な呪文は無意味な「治療」であり、弱っていく動物たちに虚しい祈りを捧げているのである。