Urbani – Heilung / ハイルング 和訳

Urbani – Heilung / ハイルング の和訳。「ハゲの女たらし (moechum calvum)」などとカエサル皇帝を罵り倒した、スエトニウス『皇帝伝 (De vita Caesarum)』を引用したラテン語の曲。

MV

Urbani – Heilung 和訳

ローマの市民よ、汝の妻を守りたまえ、ここに禿げ上がった女たらしがやって来る
貸した金はすべて ガリアでの遊蕩につぎ込まれたのだ

カエサルはガリアを征服し、ニコメデスはカエサルを征服した
しかし見てみろ、カエサルは勝利し、ガリアを征服したのだ
ニコメデスが勝利することはなかった カエサルへ侵入したにも拘らず

カエサルはガリア人を勝利に導いたが 法廷にも導いた
ガリア人はパンツを脱ぎ捨て ゆったりとしたトゥニカを纏った

  • 原詩
Urbani, servate uxores, moechum calvum adducimus
Aurum in gallia effutuisti, hic sumpsisti mutuum

Gallias caesar subegit, nicomedes caesarem, ecce caesar nunc triumphat qui subegit gallias
Nicomedes non triumphat, qui subegit caesarem

Gallos caesar in triumphum ducit, idem in curiam, galli bracas deposuerunt, latum clavum sumperunt

注釈 / 解説

カエサルの胸像
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前述の通り、歌詞のすべてはガイウス・スエトニウス・トランクィッルスの『皇帝伝』からの引用である。カエサルは薄毛を非常に気にしていたらしく、可能な限り月桂冠でハゲ隠しをしていた。また、愛人が多くいたことから「ハゲの女たらし」という称号を冠している。ただし、相手は女性だけとも限らなかった。

その愛人の一人と言われている人物が、ビテュニア王国の最後の国王となったニコメデス4世フィロパトルである。カエサルがローマの特使としてニコメデス4世の宮殿へ派遣された際に、二人は関係を持ったと言われている。「subigo」は基本的には土地を征服することを表すが、ここでは性的なニュアンスも含まれる。

そして、ニコメデスの他にカエサルが征服したものが「ガリア」である。ガリアは現在のフランス、ベルギー、スイスとドイツの一部などの地域を指すため、いわばハイルングメンバーのルーツである。カエサルはこの地域全土を制圧し、属州化した。

最後の歌詞は、ローマ人の服装について。彼らはパンツを履かずにチュニックやトガといった布切れを着ていた。これ故にバーバリアン (野蛮人) と呼ばれるようになった。