Black & Blue – Vince Staples の和訳。アルバム「Dark Times」からのセカンドトラック。この曲では夭折した同郷のラッパーたちを想いながら、ストリートギャングとして「黒人らしく」生きることによって、死後に待ち受ける因果を考えている。
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和訳
空から降る涙、フーリガンを気にしながら
正気を失ってきた、お前が一緒についてきてくれてることを願う
シートベルトを締めろ、大勢の人間は俺が追突して死ぬことを望んでる
助けが欲しい時、誰に連絡すればいい?
ギャングと鬱とプライドを行き来する
大声で言え、ジェームスのように*1、車のウィンドウを開けながら
なあ、お前も襲撃する? ああ、カチッ、ガシャッ、バンッ
明日それを後悔する、あいつらは無意味にただそんなことをする
明日はもっといいものが食える、リアルなフードスタンプベイビーたち
ここの人間は貧困の産物、なぜ奴らは俺たちで遊ぶのか分からない
ライフルと高級車、サウジアラビア人みたいな暮らし
レーガノミクスを学んだ、やってみた、特に成果はない
伝承に夢中すぎて、いかにもブラックなことを俺たちはまだやってる*2
金、それを手に入れながら
天国、そんな暮らしをしながら
鏡を見ると、何かが欠けてた
それはたぶんお前だ
それはきっとお前だ
ブラックでブルー*3
ブラックでブルー
ブラックでブルー
ブラックでブルー
ブラックで、ブラックで、ブラックで
ケーブルは質素、彼女らはもっと質素
彼女のママからの愛とキス、彼女と一緒にいることを許してくれた
たぶん俺たちはハラームで生きてる、プロムには行けない、俺のために祈ってくれよ
あの天国まで、それってギャングの豪邸?*4
トゥパックとあいつらはどこへ行った? ニプシーとあいつらはどこへ行った?
スウェイビーとドレイクオは?リッチーズとスリム・フォーは?
仲間を想いながら、長い時間を費やした
全員を詩に入れて、生き続けることを祈る
金、それを手に入れながら
天国、そこで暮らしながら
鏡を見ると、何かが欠けてた
それはたぶんお前だ
それはきっとお前だ
ブラックでブルー
ブラックでブルー
ブラックでブルー
ブラックでブルー
ブラックで、ブラックで、ブラックで
いまだにブラックらしいことをしてる、いまだにブラックらしいことをしてる
それについて知ってることを教えてくれ
俺のポケットから手を離せ*5
伝承に夢中だ
それならN-I-G-G-Aでいたい*6
お前は?
脚注
*1 「Say It Loud」は、ジェームス・ブラウンの「Say It Loud – I’m Black and I’m Proud(大声で言おうー私は黒人で、それが誇りだ)」への言及で、これはブラック・パワー運動の非公式曲として知られる。
*2 この「folklore(伝承)」はギャング間の争いに関する伝承のこと。2015年の曲「Surf」でも「folklore」が同じ意味で使われている。
*3 「black and blue」は「痣だらけになって傷つく」の意味。また、「so black」はしきりに繰り返される「黒人らしさ」、ここではギャングとして向こう見ずな生活を送ることを指す。さらにアルバムカバーの真っ黒な色を指しているとも考えられる。「so blue」は深い悲しみを表すと同時に、ロサンゼルスのストリートギャングであるクリップスの青い服を指しているとも考えられる。
*4 トゥパックの「Thugz Mansion(ギャングの豪邸)」は、ギャングが死後に向かう世界、つまり天国について書かれた曲である。ニプシー・ハッスル、アール・スウェイビー、ドレイコ・ザ・ルーラー、キー・リッチーズ、スリム400は、いずれもロサンゼルス出身のラッパーで、銃殺・刺殺により若くして命を落とした。
*5 カーティス・メイフィールドの「[Don’t Worry] If There Is a Hell Below, We’re All Going to Go」がサンプルされている。この曲では、人種間の争いが続けばあらゆる人種が地獄へ向かうだろうと歌われているが、このサンプルでは黒人の部分だけが切り抜かれている。
*6 トゥパックの「Ratha Be Ya Nigga」のフレージングが使われている。
歌詞