BLOOD. – Kendrick Lamar / ケンドリック・ラマー 和訳

BLOOD. – Kendrick Lamar / ケンドリック・ラマー の和訳。アルバム「DAMN.」のオープニングを飾るスキット。手を貸そうとした盲目の女性に撃たれるというエピソードにより、アルバムの方向性を指し示している。

MV

BLOOD. – Kendrick Lamar 和訳

[Intro: Bēkon]

それは邪悪さなのか?
それは弱さなのか?
お前が決めろ
俺たちは生きるのか、死ぬのか

[Verse: Kendrick Lamar]

この前 道を歩いていたとき
女の人を見かけた それは盲目の女性だった
歩道をウロウロしながら
少しイラ立ってるようだった
まるで何かを落としたみたいに
何かを見つけるのに時間がかかってるんだろう
彼女がしばらく困っているところを見てたから
そばに行って手を貸すことにした
「こんにちは、お姉さん、何かお手伝いしましょうか?
何か失くされたように見えたんですが
良ければ一緒に探しますよ」
彼女の返答は「ああそうなんです 何かを失くしたんです
失くしたものは… あなたの命です」
*銃声*

[Bridge: Bēkon]

それは邪悪さなのか?

[Outro: Eric Bolling & Kimberly Guilfoyle]

警察による暴力について、ラマー氏は彼自身の見解を示しているのですが
この曲の歌詞にはこう書かれています
「俺たちはあのマッポが嫌いだ ストリートにいる俺たちを殺したいんだろ」
もうやめてほしいですね 私は嫌いです

注釈 / 解説

アルバム「DAMN.」のオープニングトラックであり、アルバムの重要なテーマ「それは邪悪さなのか、弱さなのか」が最初に示されている。例えば「HUMBLE.」では彼の悪い側面に焦点が当てられるが、「PRIDE.」では彼の弱さが現れるように、アルバムを通してこの二つの言葉が重要な役割を持っている。

この曲で登場する盲目の女性、これは何かのシンボルだろう。「FEAR.」で触れられた申命記の教えにあるように、盲目の女性は神の教えに従わなかった人間の末路を象徴しているのかもしれないし、もしくは正義の女神 (Lady Justice) だとすれば壊れた司法制度を象徴しているのかもしれない。

そしてアウトロは、ケンドリックが2015年のBETアワードで「Alright」を披露した様子をFOXニュースで取り上げられた場面である。「KENDRICK LAMAR RAPS AT BET AWARDS, SAYS POLICE WANT TO “KILL US DEAD IN THE STREET” (ケンドリック・ラマー、BETアワードで”警察はストリートの人々を殺そうとしている”と発言)」という見出しで、キャスターたちが揃って「これだからヒップホップは若い視聴者に悪影響だ」と批判している。

もちろん「Alright」は殺人を煽るための曲ではなく、神を信じることによって過去の過ちを振り返り、未来は明るくなる (alright) と信じて生き抜くための希望を歌った曲である。