Box of Rain – Grateful Dead の和訳。1970年のアルバム「American Beauty」からの曲。この曲はベーシストのフィル・レッシュが初めてリードボーカルを務めた曲で、グレイトフル・デッドがライブで最後に演奏した曲としても知られる。
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和訳
どの窓からでもいい、外を見て
どんな朝でも、どんな夜でも、どんな日でも
そこには太陽が輝いてるかもしれない
鳥が飛び回ってるかもしれない、重い空から雨が降っているかもしれない
僕に何をしてほしい?
あなたを支えるため、何をしてあげればいい?
これはすべて、僕らが見た夢
遠い昔の、いつかの午後
どの扉からでもいい、外に出て
昨日と同じように、自分の道を感じて
方向が見つかるかもしれない
それはどこかの角で、あなたをずっと待っている
僕に何をしてほしい?
あなたが眠っている間、見守ってほしい?
でも驚かないで
僕が同じく夢を見ていても
そばで見つけた、どんな目も見つめて
そこを通して明日がはっきり見える
他の目を通して、それを見たことがあるかもしれない
家に帰る間の、別の日に
僕に何をしてほしい?
あなたを支えるため、何をしてあげればいい?
これはすべて、僕らが見た夢
遠い昔の、いつかの午後
砕け散った日光の中を歩こう
死んだ夢を抜け、別の地へ歩いて行こう
あなたは疲れて、壊れているのかもしれない
舌は言葉でねじれ、半分しか話せず、思考も曖昧で
僕に何をしてほしい?
あなたを支えるため、何をしてあげればいい?
雨の箱が痛みを和らげる
そして愛があなたを支える
ただの雨、風、水の箱
それが必要なら信じて、必要ないなら見過ごして
太陽とにわか雨、風と雨
窓を出入りする、炎の前の蛾のように
それはただの雨の箱
誰がそこに置いたかは知らない
それが必要なら信じて
勇気があるなら置き去りにして
それはただの雨の箱
またはあなたの髪につけるリボン
そこを去るのは、長い、長い時間
しかしそこにいる時間は短い
解説
この曲はフィル・レッシュが、当時がんで闘病していた父親に歌うために制作された曲である。彼がメロディーを書き、それを聴いたロバート・ハンターがすぐに歌詞を書き上げた。レッシュは病院に向かう車の中で歌う練習をしながら、この歌を迫りくる父の死と重ね合わせたという。
この曲ではいくつか聖書への言及があり、特にコーラスの「What do you want me to do?」は、マルコによる福音書 10:51からの引用だと考えられる。イエスが助けを求める盲人に出会ったとき「What do you want me to do? (わたしに何をしてほしいのか)」と声をかけ、目が見えるようになりたいと答えた彼をイエスは癒した。つまり、これは苦しむ人への癒しの言葉として解釈できる。
2番目のコーラスは、ゲッセマネの園を彷彿とさせる。これはイエスが祈りを捧げている間、見張りを命じられていた弟子たちが誘惑に勝てずに眠りに落ちてしまった場所である。これはたとえ「心は燃えていても(意思が強くても)肉体は弱い」ことを表している。また3番目のバースでは「目は心の窓である」ことを言っているのだろう。
ハンターによると曲名の「box of rain (雨の箱)」は、我々が住む世界を表しているそうだ。雨の箱という世界を経験できる時間は儚いものであると締めくくられている。
歌詞