Ghetto Reporter – Nas / ナズ 和訳

Ghetto Reporter – Nas / ナズ の和訳。ヒットボーイ(HB)とともに制作された「King’s Disease」シリーズの第3弾。オープニングトラックでは、ナズの新しいオルター・エゴ「ゲットー・リポーター」として、過去から現在までのヒップホップシーンが語られる。

MV

Ghetto Reporter – Nas 和訳

目を閉じて*1
よく聴くんだ

まるでそこに行けば昼食でもあるかのように、黒人は言われるんだよ、ジャック
「ジャスティス(正義)」を求めて向かうだろ、そこで見つけるのは「ジャスタス(俺たちだけ)」だ*2

もうコメディだ、面白いよ
自分を鏡で見てみろ、時間の経過は怖くないとでも言ってみろ
オムニバスぐらいに、俺はアルバムを出し続けるが
関わってるのは俺とHBだけ、これには集中力が必要だ
頻繁にリリースするわけじゃないから、大切にしろよ
娘の卒業、子どもの結婚と同じくらい
カルチャー・ヴァルチャーが急襲し、音楽を搾取し始める
そいつらは次々と契約書を作った、ドゥルー・ヒルからドリュー・ダウンまで
あいつらが無効にしてくれることを祈ってる
それに、ほとんどのアーティストの生活は役員らより悪い
だから鬱になるんだ
A&Rに傷つけられ、音楽は変わっていく*3
文化も変化する、だから合わせていく必要がある
パーティーを潰す奴だの、計画破壊者だの呼べよ
カムコーダを持ったマルコムは、マヤ・アンジェロウとガーナで会ったんだ*4
ゲットー・リポーター、40サイド出身、話の筋は知ってるだろ
プロジェクト・ラッパーの第一人者、ニューヨーカーのプライドとトリプル・プラチナを誇る*5

王の病
たいていの奴はどこかで罹る
でも進化しろ、新しい式を見つけろ
お前のすべてを使って

大胆に、巧みに、この名曲を作り出す*6
自然に、元に戻り、ナズらしく
「KD1」「KD2」「マジック」のどれが良いかと言い争う時に
どれよりも最高な「KD3」が現れる
90年代、CEOらと馴れ合うことはなく
俺は一人だった、成長した俺を見てお前らはショックだろうよ
00年代、相変わらず業界の会食に行くことはほとんどない
俺のビジネスに傾倒しないと、無限の空を越えないと
もっと早く膨れ上がるヘイト、この不利な状況にどう向き合えばいい?
こいつらは惑星ハリウッドに住む、俺は違う
テレビでは見ないニュースを伝えるのは、俺に任せろ
お前らザコを嘲笑ってやるよ、俺らが最後の王だ
俺らみたいなリアルな奴らへ、人数不足のようだな
俺は下層にも上層にもいる、かつてない存在
俺のストリーム数はリアルな数字
本物の人間がタップしてるっていう、そういうこと

つまり、俺に付いてるのは生身の人間だけ
俺らは忠誠を誓う、ずっと
ただただ賞賛しとけよ
俺はヒップホップに囚われてる、わかるだろ?
出ようとしても出られない
ラッパーは皆、囚われてるんだ
もし俺らが出られなくても、わかるだろ?
俺らが終わるまで、それが死ぬまで、俺らが塵になるまで
俺が50歳になったら、50歳のファンが欲しい
60歳のファンも、16歳のファンも

注釈

*1 哲学者アラン・ワッツのオーディオレクチャーより。

*2 コメディアンであったリチャード・プライヤーのスキットより。ジムクロウ法が施行されていた頃の自虐ネタ。

*3 A&Rは「Artists and Repertoire」の略で、アーティストの発掘や育成を担当する職業のこと。

*4 公民権運動家のマヤ・アンジェロウは、マルコムXがガーナを訪れた際に親しくなった。

*5 「40 Side」はナズの出身地であるクイーンズブリッジの「プロジェクト(貧しい地域の住宅地)」を指す。そして、ナズの2枚目のアルバム「It Was Written」の売上はアメリカで300万枚以上 (トリプル・プラチナ)を記録している。

*6 エミネム「The Way I Am」のバース「I sit back…」のフローに寄せていると思われる。

歌詞 / Original Lyrics