reincarnated – Kendrick Lamar / ケンドリック・ラマー 和訳

reincarnated - Kendrick Lamar 和訳 by radictionary

reincarnated – Kendrick Lamar の和訳。サプライズリリースされたアルバム「GNX」からの曲。この曲では自身に宿っている魂として、二人の偉大なミュージシャンの人生について語った後、堕天使としての自分と神との対話に切り替えられる。サンプルには2パックの「Made Niggaz」が使用されている。

シングル・アルバム情報

ミュージックビデオ・オーディオ

和訳

あなたの瞳が映す*1
夜、あなたと私

内側から燃え上がる炎
かつてどんな人間だったか思い返しながら、皮を脱いでいく
毎日、新しいバージョンの自分、その3分の1は傷みで固められた狂気だ
対立する名声を抱えながら
友達を作る方法が分からない、孤独な魂
この孤立感を思い出す、4歳の頃だ
実を言うと、ずっと自分の魂と戦ってきた
本物と偽物を行き来しようとした
審判の日に対しては冷笑的
去年に過去生退行をしたせいで、俺は壊れた
この地球で生まれ変わってから100年以上
体を変えながら、教訓を学んできた、1947年のミシガンに戻ろう*2
父から家を追い出された、俺が言うことを聞かなかったから
父の影響はどうでもよくて、ただ自分のやってることが好きだった
ミュージシャンとしての才能に恵まれ、最高レベルでギターを弾いた
地元では一番才能があった、でも反抗する必要があった
だから夕日の下で旅立ち、世界の中で自分の居場所を探しに行った
腰にはギター、そして物語は展開される
気づけばポケットには金がたんまり入っていて、多くのリスペクトも受けた
レコード業界に愛された
俺はリズムアンドブルースを率いる人間だった
俺にひれ伏す女性は、選ぶには多すぎるほど
でも俺はこの権力を操り、大衆に嘘をつき
自分の金とともに死んだ、強すぎる貪欲さ、甦る

また別の人生では、チトリン・サーキットの黒人女性だった*3
プロモーターがカーテンを引くと、魅惑的なボーカリストとなり
天使のような、天から舞い降りたような声で、観客は涙を流した
記事では音楽の天才と書き立てられた
欲しいものはすべて手に入れたが、依存からは逃れられない
ヘロインの針によって、胎児の体勢で、閉じ込められた
家族に反抗して、カメラがあるところどこへでも行った
コカイン、この狂気があるからプライベートジェットはいらなかった
自分勝手、規律は自分の感情にそぐわない
ドラッグが必要だった、自分にとって、8ボールは鎮痛剤程度のもの*4
愛なんてクソだ、幸福はあのブラウンシュガーの中にある
誰にも見られていない時、セックスとメロディーが希望を与えてくれた
最初のアシスタントは、小さな町からやってきた学者で
彼女と親しくなるまで、クエイルードを試したことはなかった
父は目を逸らした、でも俺の中に罪を見ていた
注射針が入ったまま死んだ俺、甦る

現在の人生はケンドリック・ラマー*5
驚嘆させる歌詞を書くラッパー
重視する要素は、ただ基準を上げることだけ
本能がその素材をまっすぐチャートへ送る
父に家を追い出された、でもやっと父を許せるようになった
自分の過去の生き方を理解できる年齢になった
エゴとプライドのせいで、俺は怒りを持って父を見ていた
目を閉じて、争わないよう願いながら
こう叫んだ、俺はやっと正しい道を進めてるだろ? やってきたことすべてに私利私欲なく
気さくに話して、誰かが助けを求めれば助けてきた
ほくそ笑んだりすることもなく、ハゲタカが来ても「ノー」を言った
稼ぐ金が変わっても、自分の肉体を制御してきた
息子よ、お前はよくやっている、しかしお前の心は閉ざされている
お前の過去からくすぶるものがその細胞を作っているんだろう
俺は完璧じゃない、衝動はあるが、抑え込んでる
しかしお前のプライドは殺さなければいけない、わかった、どうやるか教えてほしい
今までお前がやってきたことすべて、それを何のためにやったのか言ってみなさい
俺は100の機関に金を配った
そうか、他には?
ひとつのステージにフッドの人間を100人上げた
そうか、他には?
ロサンゼルスで平和を推進しようとしてる
でもお前は戦争が好きじゃないか
いや、そんなことない
いや、そうだ
わかった、じゃあ真実を教えてほしい
すべての人間はお前のひとつのバージョンに過ぎない
お前が許しの心を持っていないのに、お前が許されるはずないだろう?

これから自分がどこに向かっていくかは言える
お前がどういう人間なのか教えてやろう
お前は天から落ちてきた、なぜならお前は不安を抱えていたから
権威を嫌い、ただ邪悪なことだけを求めた
イザヤ書14章だけが重要だったんだ
私にとって最高の音楽監督はお前だった

それは色だった、ピンクだった、赤だった、青だった
ハーモニーだった、動きだった
お前を地球に送り出したのは、お前が壊れていたからだ
リハビリのためだ、精神疾患になるためではない
しかし私たちは今ここにいる

お前は何百年も音楽で人間を操ってきた
お前がどう動くかを見るために、お前をスーパースターとして具現化したんだ

お前は邪悪な視点を飾り立てるところから、長い道のりを歩んできた
俺が求めていたのは愛と承認だけだった
多くを学んだ、もう人を恐怖に陥れることはしない
言葉が弱まるほど、現実味が薄れる
多くの光を捉えられるほど、より多くを感じられる
俺は言葉をインスピレーションのアイデアとして使ってる
では自分の才能を当たり前だと思わないと約束できるか?
理解を得るために才能を使うと約束する
すべての男性、女性、子どもたちのために、どれだけ誓うことができる?
調和の中で生きると、この人生に誓う
お前は人々の思考を操って潰してきたんだ
その敵を作ってしまったことを恥じる
それなら私たちが今いる場所で喜び合おう
自分たちの力を取り戻すため、俺は悪魔の物語を書き直した、甦る

脚注

*1 イントロはメキシコのシンガーソングライターであるデイラ・バレラがスペイン語で歌っている。

彼女はワールドシリーズで、フェルナンド・バレンズエラ氏の追悼パフォーマンスのためにステージに立った。これがきっかけでアルバムへの参加が決まったそうだ。同アルバムに収録されている「wacced out murals」と「gloria.」でも彼女の歌声がフィーチャーされている。

*2 このヴァースでは偉大なR&Bギタリストとしての人生を語っている。誰のことなのかいまいち不明だがジョン・リー・フッカー(彼は14歳の時に家を出てミシガン州デトロイトでキャリアを築いた)などの名前が挙げられている。

*3 このヴァースではビリー・ホリデイとして生きる自分を想像している。彼女は人種差別の時代に黒人アーティストが舞台に立つことができたチトリン・サーキットの出身。ジャズミュージシャンとして華々しいキャリアを築いたが、薬物やアルコールを乱用し、44歳で生涯を閉じた。

*4 コカインやヘロインなどのストリートドラッグの量が一般的に1/8オンスであるため「8ボール」はそのようなドラッグを指す。また、ヘロインは加熱すると茶色がかった色になるため、ここでは「ブラウンシュガー」と呼ばれている。

*5 最後のヴァースは「father(父)」との対話で、実の父親というよりも神への呼びかけという意味合いが強い。そしてケンドリックはここで自分を悪魔(堕天使)として描いている。イザヤ書14章のバビロンの王の堕落、エゼキエル書28 章のツロの王の堕落は、サタンの傲慢さを描いたものと解釈されており、さらにエゼキエル書ではサタンが音楽の天使であったと描写されている。つまり音楽の才能を神から認められている堕天使は、今までの行いを悔い改め、今後は権力を操るために音楽を悪用しないことを神に約束している。

歌詞