Legend Has It – Run The Jewels / ラン・ザ・ジュエルズ の和訳。善と悪の両方の側面を持つレジェンドたちの曲。「無実と証明できなければ全員有罪」というディストピア的なテーマのMVは、1980年から米国の投獄者数が急増した事実に基づいている。
MV
Legend Has It – Run The Jewels 和訳
よく聞け、俺らが今日のトップだ
くだらない奴らは今日で終わりだ
RT&J ー 俺らは新しいPB&J*1
俺たちが今日リリースしたのは名曲だ
俺たちは今日LSDでキマって
ジョイントにマッチで火をつけて、灰を払う
ブルルルル! すぐに逃げ去るぞ
ドナーとディクソン、ピストルは火を吹く*2
死の医者たちだ
呼吸疾患を治してやるよ
俺たちはお前が信頼する傷みだ
怪しい仕事をしながら
悪態としどろもどろな言葉を混ぜ合わせ
脳がマッシュされるまで吸うのさ
お前らを焚きつけることで、俺は有名になった
攻撃しながら、茂みの中を潜り抜けてきた
訓練することも、手懐けることもできない俺と相方
人間の見た目をした、野生動物なのさ
俺たちは殺人的なペア
牢獄に入って、人殺しを殺して
地獄に行って、悪魔を見つけ
傷みと不幸を届けた
昔は売り捌くための粉を持ってたが
今ではクシュを吸いまくる
おい、俺が柴を燃やしてるぞ*3
そんなことはどうでもいい
宝石を持ち去って、こんなところから出ていくぜ
ウー!*4
ウー!
こうやってスポットライトに立つ、ウー!
ウー!
アッパーとダウナーの盗みは終わった
早くトリップしたい
1000発落とすくらい、大したことないさ
雲の上からやって来て
このミサイルで、この町を木端微塵にしようぜ*5
音を出すな、ベイビー、静かに
俺はずっと右スワイプ、マイクを持てば俺はビッチだ
蛮人みたいなツバの吐き方は知らないが
お前のソファーに俺の子どもをぶちまけていくさ*6
混血の、伝説のチームの片割れだ
非道な、裏切りの数々
伝説によると、エルは地獄からの落とし子で
神話では、俺の母親は殺し屋の女王だ*7
『ゴッドファーザー』みたいにお前の人生は終わるかもな
お前が銃を持ったら、俺の息子は洗礼を受ける*8
俺が今日死ぬなら、俺が払うべきは地獄だ
マイキーはこう言ってたと神に伝えろ「あれは楽しかったよ」
すべての曲がディック・イン・ア・ボックス*9
沢山ある、大金は仕留めた
悪いことをしない俺に、お前は慣れてきただろ
チキンゲームはしない、クソが、俺はキツネなんだ
お前がマイクを持ちたいなら、石を渡してやるよ*10
これ以上吠えるなら、木材用の刃にキスしろ*11
俺はマジックだ、俺はしゃべりの魔法使い
俺のユニコーンの角っていうのは (ストップ)*12
ウー!
ウー!
こうやってスポットライトに立つ、ウー!
ウー!
そして観客は叫ぶ、RTJ!
そして観客は叫ぶ、RTJ!
そして観客は叫ぶ、RTJ!
そして観客は叫ぶ、RTJ!
RTJ!
RTJ!
RTJ!
RTJ!
マイク・ペンタンジェリは告発しない*13
俺はリッツで部屋を借りて
ウィスキーのボトルをほとんど飲んで
バスタブでマリファナを吸って
両方の手首を切ってやるのさ
ヤワなお前らに剣を向けて
手首をちょっと曲げるだけで
お前の首から飛沫が上がる
俺とマイクは口笛を吹いてニヤつきながらスキップをして
勝ち目しかない毎日は金色だ
クズたちをいじめて、ビートに合わせて殴るなんて
ビーチで過ごす一日みたいだろ (知っとけ!)
中学時代からこれだ、お前の足を踏みつけて
お前が口を開く前に、その歯に一発喰らわせてやるよ
俺たちと共に動く人間を、お前らは従順だと思い込んでるだけだ
俺がライオンだと思ってんだろ、正解だ、この歯を見ろ*14
俺が吠えながら走る時に、つまんねえ奴になるなよ
動きもしない獲物の狩りなんて、楽しくもない
俺はウサギに銃を向けるから、どちらか選べ
面白いことが言えないなら、ウサギの頭をぶち抜くぞ
お前がグルーヴできる曲が、俺らには山ほどある
このグループを選んでくれて感謝するよ
以上、お前の信頼するグループからの言葉だ
暴れる保証をプラスしよう
良い行いをする悪い奴ら
ダンサーにも売人にもPCPを吸う人間にも、そう知られてるさ
注釈
*1 PB&J=ピーナッツバターとジャムのサンドイッチ。鉄板の組み合わせだが、意外にその歴史は浅い。RT&J=ラン・ザ・ジュエルズもPB&Jのように、瞬く間に誰もが知る組み合わせになるということ。
*2 『クリスマスのまえのばん』にかけて、トナカイの名前であるドナーとヴィクセンに似たドナー、ディクソンを挙げている。また、もともとはトナカイへの呼びかけで使われている「dash away (走れ)」という言葉は、ここでは発砲しながら本当の意味で逃げ去ることを意味する。ドナーとディクソンが誰を指しているのかは明確には分からないが、アメリカの開拓者であるドナー隊とジェレマイア・ディクソンの説が個人的に一番しっくりくる。ドナー隊はシエラネバダ山脈で遭難し、生存のために人肉食に及んだことで知られる。ジェレマイア・ディクソンは、アメリカの北部と南部を隔てるメイソン=ディクソン線の由来となった人物である。
*3 旧約聖書の「モーセと燃える柴」より。モーセが「燃える柴」の姿をした神からの啓示を受けるという話だが、ここでは単純にクシュなどのハッパに火をつけていることを意味する。
*4 RTJのお気に入りのプロレスラー、リック・フレア―の雄叫びより。
*5 冷戦を扱った映画『博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか』にある、核爆発のレファレンス。
*6 「spit」は「ツバを吐く」だけでなく「ラップ (ライム) をかます」の意味がある。「kids」とよく似た発音の「kicks」にも同じような意味があるため、「kids / kicks on your couch」は相手よりもさらに上を行くラップを見せつけること。もちろん、そのまま射精の意味でもある。
*7 「キラー (殺人者)」マイクの母親なので「殺人の女王」である。また、実際に若い頃から麻薬の売人をしていたことも関係している。
*8 映画『ゴッドファーザー PART I』では、マイケルの息子の洗礼式の日にマフィアのリーダーを殺害する。
*9 ザ・ロンリー・アイランドの「Dick in a Box」のレファレンス。いつでも楽しめるギフト的な意味。
*10 (マイクを持って)ラップすることを「kick it」、ボールのパスを求める時に「give me the rock」と言う。なので「I’ll give you the rocks」だとまるでマイクを渡すかのように聞こえるが、実は「kick rocks」で「(車で石を蹴りながら)失せろ」の意味になっている。
*11 1996年公開のサスペンス映画『ファーゴ』では、スティーヴ・ブシェミ演じるカールが犯人との口論の末に殺害され、木材粉砕機に飲まれてしまう。
*12 ストップの部分には「cock」が続くらしい。
*13 映画『ゴッドファーザー PART II』に登場するフランク・ペンタンジェリの捩り。ペンタンジェリはコルレオーネ・ファミリーの告発人になる予定だったが、兄が人質に取られていることを知り、土壇場で証言を拒否する。その後、ペンタンジェリは浴槽で手首を切り自殺する。
*14 ここでは動物の名前にかかった同音・類似音の異義語が並んでいる→「lion (ライオン) / lyin (嘘をつく)」「bore (つまらない人) / boar (イノシシ)」「vamoose (逃げ去る) / moose (ヘラジカ)」