Der Elektrolurch – Guru Guru / グル・グル 和訳

Der Elektrolurch – Guru Guru / グル・グル の和訳。クラウトロックの代表的なバンドであるグル・グルの、おそらく一番よく知られている曲がこの「電気ガエル」。フランク・ザッパ的な、いろいろな意味で型破りなフリースタイルの曲である。

MV

Der Elektrolurch – Guru Guru 和訳

オリジナル🔗Spotify

ちょっといいか、この電気ガエルの話を聞いてくれ
俺は電気メーター近くの、ターミナルブロックに住む
お前たちに電気を供給してやるぞ!
ボルト、ワット、アンペア、オーム…
俺がいなければ、電力は存在しない!

実際、グル・グルという名前はどういう意味?
ー グル・グルという名前は、例えば、先史的で
何かをやるべきとか、何かができるとか、何かを示すものではない

実際、なぜ音楽を作ってる?
ー そりゃ、死ぬよりもマシやろ!

最も重要なイベントは何だった?
ー 戦争後に飲む最初のコーヒー

実際、年を取ったら何をする?

注釈 / 解説

ほとんどの人がこの歌詞をナンセンスだと切り捨てる中で、この記事では歌詞の意味を深く考察していた。ここでは、それよりも浅めの考察に留まろうと思う。

まず「Elektrolurch」という単語について。「elektro-」が電気、「Lurch」が両生類の意味。ということは「電気ガエル」でも「電気イモリ」でも解釈としてアリだが、結局このマスクをつけたマニ・ノイマイヤーをどう形容すべきかは悩ましいところである。

MundMischeの定義によると、「Elektrolurch」は電気技師のことを冗談っぽく呼ぶときに使われていたらしい。さらに、Sprachnudelには「バイブレーター」のことを指すと書かれている。個人的にはこの定義で腑に落ちた部分がある。と言うのも「Ich sorge für Euren Saft (お前たちに電気を供給してやるぞ)」という言い方がとても引っ掛かった。「Saft」は通常「ジュース」の意味で使われる言葉で、「電気」の意味もあるが「精液」の意味もあるからだ。

そしてひと通り電気ガエルの自己紹介が終わった後、電気ガエルの質問コーナーに入る。ここで特徴的なのは「eigentlich (事実、実際は)」が質問文にやたら使われていること。どうやら政治家やジャーナリストなどが、さも重要なことを言う時にこの言葉を挟むようだ。実際、全く重要でもないことに対してこの言葉を連発する彼らを皮肉っているように聞こえる。つまり、もう語り尽くされているくだらない質問に、それ相応のくだらない回答をしてやっているということだ。実際、1番目の答えは「zum Beispiel…(例を挙げると…)」とまるで意味ありげな前置きをしながら、全く無意味な説明が続く。2番目は急にめちゃくちゃ訛る。3番目はストレートな答えだが、わざわざ「戦争後」という言葉を使う辺りがやはり皮肉っぽい。そして4番目に答えはない。実際、このカオスなパフォーマンスを見ていれば「答えを言うまでもない」ということなのだろう。