Black Milk – Massive Attack / マッシヴ・アタック 和訳

Black Milk – Massive Attack / マッシヴ・アタック の和訳。ボーカルはエリザベス・フレイザー、そしてマンフレッド・マンズ・アース・バンドの「Tribute」をサンプリングしている。ただ、これが著作権侵害で問題になったため「Collected」にはリメイク版の「Black Melt」が収録されている。

MV

Black Milk – Massive Attack 和訳

オリジナル🔗Genius

あなたに食べられているわけじゃない
私はあなたの食物じゃない

神のために あなたを愛する
母のために あなたを愛する

この隙間を食べて
私の心の隙間を

神のために あなたを愛する
母のために あなたを愛する

母なる噴水
生きるか 生かざるべきか

最愛の
水中に沈むチャペル

神のために あなたを愛する
母のために あなたを愛する

すべては愛のため
愛することだけ

注釈 / 解説

この歌詞は様々な解釈ができると思うが (ポリガミーやらカニバリズムやら)、「Black Milk = 目に見えぬ母乳」という解釈が個人的に一番興味深い内容だったので紹介する。

You’re not my eater
I’m not your food

最初のバースは「あなたに食べられているわけではない」ということを強調している。これが「授乳」を表していると解釈できる。授乳は母の身体を子が食べていると言えなくもないが、それによって母の肉体がボロボロに蝕まれていくわけではない。さらに、この後に「心の隙間を食べて」と言っていることからも、むしろ授乳によって母の心は満たされていく。

Love you for God
Love you for the Mother

人間は神の創造物であるという宗教観から、母が子を愛するのは「神のため」であり、それが母としての責任である。そして「母のため」とは「母なる自然」を意味する。すべての子に母がいるように、母が子を愛することは自然なことである。

The most level
Sunken chapel

「沈んでいくチャペル」は、授乳を終えて萎む胸のシンボリズム。「水」も「チャペル」もキリスト教において清らかで神聖なもの。今まで物理的な絆であった授乳が必要なくなったあとも、母と子の絆は強く結ばれている。その絆を「目に見えぬ母乳 = Black Milk」と呼んでいる。加えて、この授乳期に勝る美しさを目にすることのできないフラストレーションがダークな響きとなって表れている。