Casey Jones – Grateful Dead の和訳。実在した機関士ケイシー・ジョーンズを題材にした曲。ただし彼は乗客の命を守るために行動した立派な機関士で、歌にあるようにコカインでハイになっていたわけではなさそう。
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和訳
あの列車を運転しながら、コカインでハイになる
ケイシー・ジョーンズ、スピードには気を付けろ
前方にトラブル、後方にトラブル
そして、あの考えが脳裏を過ぎったんだ
この古いエンジンで
時間通りに間に合わせようと
中央駅を出発したのは
8時45分くらい
リバー・ジャンクション駅に着いたのは
9時43分
9時45分には
また運転を再開した
あの列車を運転しながら、コカインでハイになる
ケイシー・ジョーンズ、スピードには気を付けろ
前方にトラブル、後方にトラブル
そして、あの考えが脳裏を過ぎったんだ
前方にトラブル
赤色を着た女性がいる
俺のアドバイスを聞くんだ
でないと命を落とすことになるぞ
眠る転轍手
列車102号は
誤った線路に入り
お前に向かっている
あの列車を運転しながら、コカインでハイになる
ケイシー・ジョーンズ、スピードには気を付けろ
前方にトラブル、後方にトラブル
そして、あの考えが脳裏を過ぎったんだ
お前のトラブルは
俺のトラブルでもある
しっかり二つの目があるのに
俺たちはまだ見えていない
カーブを曲がれば
それが最後さ
火夫は叫び声を上げ
エンジンは光り出す
あの列車を運転しながら、コカインでハイになる
ケイシー・ジョーンズ、スピードには気を付けろ
前方にトラブル、後方にトラブル
そして、あの考えが脳裏を過ぎったんだ
あの列車を運転しながら、コカインでハイになる
ケイシー・ジョーンズ、スピードには気を付けろ
前方にトラブル、後方にトラブル
そして、あの考えが脳裏を過ぎったんだ
そして、あの考えが
脳裏を過ぎったんだ
解説
まず「勇敢な機関士」として知られるケイシー・ジョーンズについて。1900年4月30日、彼は体調不良だった同僚の代わりに、自分のシフトが終わったあと彼の仕事を引き受けた。すでに列車が遅れていたため、定刻に間に合わせようと速度を上げていた。その走行中、同乗していた火夫が前方に別の列車が停まっていることに気づき、慌ててジョーンズに知らせる。ジョーンズは安全な場所に移動するよう火夫に指示し、汽笛を鳴らして周囲に危険を知らせながら列車を減速させ、衝突。乗客は全員無事だったが、ジョーンズだけが帰らぬ人となった。
彼の死から間も無く、同僚のウォレスが「The Ballad of Casey Jones」という曲を制作したことで、彼はヒーローとして語り継がれるようになった。というわけで、実在したケイシー・ジョーンズはドラッギーなわけではない。
事実かどうかは定かでないが、「The Annotated Grateful Dead Lyrics」には、この曲はニール・キャサディのことを歌っているのではないかと書かれている。ニールはバス運転手だったが、スピード中毒者でもあった。バスを運転中でも、常にハイな状態だったという。だから「スピードに注意」は、速度と薬物の両方を意味している。「lady in red (赤を着た女性)」は、赤いバルビツールのこと。「white lady」がコカインの隠喩なので、どちらにせよこれは薬物を指していそうだ。さらにニールは「It just occurred to me…(今思ったんだけど…)」が口癖だったので、コーラスの「just crossed my mind (脳裏を過ぎった)」に繋がるそうだ。ニールはパーティーの帰りに意識を失い、寒い雨の夜に線路上で倒れてそのまま亡くなった。
グレイトフル・デッドのメンバーがハイな状態でこの曲を披露することもあったため、ドラッギーバンドによるドラッギーソングだと思われたりしたこともあったが、このように、一応アンチドラッグソングである。
歌詞