Erdowie, Erdowo, Erdoğan – extra 3 / エクストラ・ドライ 和訳

Erdowie, Erdowo, Erdoğan – extra 3 / エクストラ・ドライ の和訳。ネーナの「Irgendwie, irgendwo, irgendwann」のパロディで、トルコのエルドアン大統領を風刺した曲。動画公開後にトルコ政府が動画の削除を要求し、外交問題にまで発展した超問題作。

MV

Erdowie, Erdowo, Erdoğan – extra 3 和訳

オリジナル🔗Genius

[Part 1]

贅沢三昧に暮らす彼は
ボスポラスの長だ
「この豪華絢爛な1000室の建物は、無許可で自然保護区域に建設されました」
報道の自由のせいでぶちギレて 彼は喉を腫らしてる
だから彼にはスカーフがたくさん必要だ

🐭(?????ハハッ)

エルドアンの気に入らないものを書いたジャーナリストは*1
明日には牢獄行き
編集室は封鎖される 彼は深く考えずに
夜を駆け抜けるのさ 催涙ガスと放水砲を持って

[Hook]

愛想は良くしろ
お前は彼の手中にいるんだから
エルドヴィー、エルドヴォー、エルドアン
大オスマン帝国時代がやって来た
エルドヴィー、エルドヴォー、エルドアン

[Part 2]

女性に平等の権利を与えれば
彼女らも平等に殴られる
「イスタンブール警察は、国際女性デーのデモを暴力で鎮圧しました」
そんなに選挙の結果が悪かったの?
でも彼が修正してるさ
(俺は動かすのが好き)*2
ペストと並べるくらい彼はクルド人嫌いで
ISIS信者よりも彼らを爆撃したがる

[Hook]

お前の金を彼に渡せ
難民テントを作ってもらえるから
エルドヴィー、エルドヴォー、エルドアン
彼の国がEUに加盟する時はやって来た
民主主義なんて彼の頭にないけど
「Üと一緒にさようなら」とエルドアン*3
そして夕日とともに沈んでいった

注釈

*1 トルコ人ジャーナリストであるアフメットシュク (Ahmet Şık) が、自身の著書「İmamın ordusu」を公の場で掲げたことで逮捕された。また、反体制派の新聞社である「Zaman」の編集室は、2016年3月4日にトルコ警察によって取り囲まれた。

*2 当時流行っていたReel 2 Realの「I Like To Move It」のフレーズを歌っている。もともとの意味は「ダンスが好き (体を動かすのが好き)」だが、ここでは「得票数を動かすのが好き」。

*3 「Tschü mit Ü」は「Tschö mit Ö (さようなら)」というフレーズを捩ったもの。おそらくトルコ語では特に「Ü」という文字が多用されるために「Ü」が強調されているのだろう。


動画公開後の余波

2016年3月22日、トルコ政府はドイツ大使を呼び出してこの動画の取り下げを求めた。しかしこの行動が逆にメディアの注目を引き、動画が余計に拡散されてしまう。extra 3はこの騒動を受け、英語の字幕を追加して、公式Twitterでも動画を公開。それに輪をかけてコメディアンのヤン・ベーマーマンがエルドアンを風刺する詩をテレビ番組で読み上げたことで「ベーマーマン問題」に発展する。簡単に言うと、エルドアン大統領がベーマーマンを名誉棄損で訴え、メルケル首相がそれを容認したのである。

結果的にベーマーマンは不起訴となった。extra 3 は懲りずに続編をリリースしている