Sugar/Tzu – black midi / ブラック・ミディ 和訳

Sugar/Tzu – black midi / ブラック・ミディ の和訳。2163年、270キロのレッドウェイト級ボクシングマッチが行われる。実力派のサン・シュガーに勝利する為、「戦わずして勝つ」という戦略を実行するサン・ズーのストーリーである。

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和訳

皆様、今年一番のスポーツイベントを目撃する準備はできていますか? ご来場いただいている数千人の方々、そしてご覧いただいている数百万人の方々、雷を見ようじゃありませんか!

後世の人間は俺に示すだろう
世界がまだ目にしていない 最も偉大な人物になれ、と
取るも足りない人間に紛れている 俺は天才なんだ

レッドウェイト級の 世紀の争い
それは2163年2月31日のこと
俺はそこにいたが 見えなかった
身長1メートルの無価値な狂人
首やら背中やら膝で 視界は遮られた
垂れ下がった贅肉が そよ風に引っ叩かれた
サン・シュガーは赤いトランクスを履いている
一方のサン・ズーは青だ
二人はリングの中央へ走って行った
その間 ラインストーンのスーツを来た人間は歌い続ける

サン・シュガーは 粗布から切り離されたような単純な男だ
サン・ズーは 蛇皮のスープから力を手に入れて
体重検査を受ける
270キロ

俺は大衆の前まで足を運んだ
サン・シュガーはやって来た
サン・シュガーはやって来た そして握手を交わした
彼が背中を向けると 俺は背中に弾丸を撃ち込んだ
サン・シュガーはやって来た そして握手をしてやった
彼が背中を向けると 俺は背中に弾丸を撃ち込んだかもしれない
サン・ズーは腕を上げ
シュガーが血を流す中 彼はチャンピオンとなったのだ
現場に医者はいなかった
観客の勝利!

後に発見され 彼は終身刑となった
数百万人の妻からの手紙を読みながら過ごす
サン・シュガーはやって来た 俺なしじゃコイツはずっと無名だったろ
タブロイドの記憶の中で 最年少の処刑人となったのだった

解説

イントロはハス・ラギップ (Hus Ragip) というリングアナの声である。彼はもともとロンドンの駅構内でのアナウンスをボクシングマッチ風にすることで話題になり、その後に本当にリングアナになってしまったという人物。2022年のブラック・ミディのツアーでは、登場前にハス・ラギップによる紹介のアナウンスが流れているようである。

この物語のボクシングマッチは「レッドウェイト級 (The Leadweight)」で戦われるが、これはもちろん架空の体重階級である。直訳すると「鉛級」。2163年にもなれば、600ポンド(約270キロ) 同士の対決が見られるのかもしれないが、歌詞中に現れる身長差別的な思考が行き着いた先なのかもしれない。

そして二人の選手の名前について。「サン・シュガー」という名前は、元世界ミドル級および世界ウェルター級チャンピオンのシュガー・レイ・ロビンソンから来ている。これにあやかって、シュガー・レイ・レナードというプロボクサーも現れたので、これらの実力派の血筋を引くのが「サン・シュガー」である。そして「サン・ズー」は中国の武将であった孫武の英名であり、「戦わずして勝つ」という戦略思想がこのストーリーに色濃く反映されているのである。

歌詞