
To be a rose – Jenny Hval の和訳。9枚目のアルバム「Iris Silver Mist」からのリードシングル。アルバムタイトルはセルジュ・ルタンスの香水「アイリス・シルバー・ミスト」から名付けられており、パンデミックの時期、ライブ音楽の代わりに彼女の心を満たした「香水」がテーマとなっている。リードシングルでは、バラがタバコの煙や霧に変わっていく様子、部屋で歌う自分とバルコニーでタバコを吸う母のように、物事や人々の繋がり、変容、進化を表現している。
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和訳
では、意図して装飾された舞台を想像してみて
この舞台は明らかに、文字通りに、崩壊している
バラはバラであり、バラであり、タバコである1
この舞台は、いま飾られている、タバコの煙で
100の、いや、1000の口から一斉に吐き出された煙で
これは、私の母が吸ってきたすべてのタバコだ
バラになることを夢見る
しかしバラになるには遠すぎる
私は部屋で歌っていた
彼女はバルコニーでタバコを吸っていた
長く吸い込み、長く吐き出す
振り付けされたパフォーマンスのように
私たちの行き止まりの街の上で
煙は繊細に動く
夏の空気を夢見て
私たちの本当の体のように旋回している
バラになるために
でもバラになるには遠すぎる
音楽は靄を着て旅をする
もしわからなかったら補足すると、それは私たちと同じように着飾る
もしわからなかったら
だから私はステージで着飾る
マイクで、花壇で
その下にはカーテンコールがある、私についてきて、そこの代わりに花へ
私にバラをください
でもバラになるには遠すぎる
脚注
- ガートルード・スタインの詩『聖なるエミリー』に登場する有名な言葉「Rose is a rose is a rose is a rose(薔薇は薔薇であり、薔薇であり、薔薇である)」をもじったもの。 ↩︎
歌詞