
Sunglasses – Black Country, New Road の和訳。彼女の影響で上流階級の考えに染まってしまったアイザックは、サングラスをかけることで自分の本来の姿を隠して虚勢を張ることができる。
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和訳
ようこそ、史上最高のデンマーク犯罪ドラマ、6部立て最新作へ
大理石の部屋で彼女は湯気を出す 製薬会社のおかげだ
俺はテレビの光で我を失う 彼女の父親のおかげだ
彼女はキッチンの棚でゴールドに輝くものを なんでも買った
母親はアイランドキッチンで 朝食にスイカのジュースを作っている
弱々しい手で ニュートリブレットを握る
その刃の一部は 未来を予感させた
自分は絶対に関わらないような未来の
そして写真を飾った壁で
下の階にある2番目のリビングのテレビを見る場所で
俺は彼女の父親になった
そして日中は 凡庸な劇場の文句を言い
夜中はシングルモルトウィスキーに氷を入れる
スカートの裾は上がり IQは低下した
何もかも昔と作りは違うんだ
まさにイギリス工学の最骨頂だ
そして俺はこんなに無知になった これだけのことを学んで
ベイビー、聞こえる?
こんなに無知になった これだけのことを学んで
ベイビー、聞こえる?
触れてみて、こんなに無知になった
これだけのことを学んで
ベイビー、聞こえる? 触れてみて
ああ! 触れてみて
いつも私が欲しがってたみたいに
今回は本気で愛して、アイザック
私に夕食を買ってよ、私の両親に会って
今回は本気で愛して、アイザック
触れて、触れた
このサングラスをかければ 俺は無敵だ
俺はフォンツだ 俺はジャックのハートだ
俺がお前を見ていても お前には分からない
俺は 俺のパーツを足し合わせた以上の存在だ
俺は目を凝らして お前を見てる
お前に分かってほしい
子どもたちには リチャード・ヘルみたいな格好をやめてほしい
ハイテクの世界に俺は閉じ込められて ループする
半透明 青ティントの要塞
お前には俺に触れることなんてできない
このサングラスをかければ 俺は無敵だ
「ビー、ビー、ビー」と鳴る車
道路にはギャングがたくさんいる
でも俺が怖がっていることは お前には分からない
このサングラスをかければ 俺は無敵だ
俺は現代版スコット・ウォーカーだ
俺は驚くほどスムーズに話せる
このサングラスをかければ 俺は無敵だ
そして俺はこんなに無知になった これだけのことを学んで
ベイビー、聞こえる?
こんなに無知になった これだけのことを学んで
ベイビー
触れてみて
俺の能力は十分以上だ
これにカニエは関係ない
あなたのセルトラリンはキャビネットに閉まっておいてよ
今回は本気で愛して、アイザック
俺の能力は十分以上だ
これにパパの仕事は関係ない
あなたのセルトラリンはキャビネットに閉まっておいてよ
今回は本気で愛して、アイザック
俺の能力は十分以上だ
これにカニエは関係ない
あなたのセルトラリンはキャビネットに閉まっておいてよ
今回は本気で愛して、アイザック
俺の能力は十分以上だ
これにパパの仕事は関係ない
あなたのセルトラリンはキャビネットに閉まっておいてよ
今回は本気で愛して、アイザック
彼女はケムトレイルを売る
べダレスの生徒に
俺は自由になろうとした
その手から
シェラックのネイルから
彼女はケムトレイルを売る
べダレスの生徒に
俺は自由になろうとした
その手から
シェラックのネイルから
彼女はケムトレイルを売る
べダレスの生徒に
解説
最初のラインは、北欧のドラマ『ゾウズ・フー・キル 殺意の深層』のレファレンスだと思われる。これは「ノルディック・ノワール」と呼ばれる、デンマークを始めとした北欧の犯罪ドラマシリーズのひとつで、イギリスで6シーズン放映された。この曲を含んだアルバム「For the first time」が6曲構成であるため、このような表現が使われている。
大理石のサウナなど、いかにも裕福そうな家庭が描写されていれるが、そこに「Big Pharma」という言葉が使われている。これは製薬会社が金儲けのために、故意に人々を病気にしているという陰謀論のことであり、彼女の父親の仕事が怪しいものであることが示唆されている。

そして栄養たっぷりのジュースを作れるはずのニュートリブレットを握る母の手はなぜだか弱々しい。それからすぐにアイザックは、彼女の父親と同じく、上流階級のイギリス人が持つステレオタイプな振舞いをするようになる。彼は彼女の家族と過ごすことで階級差別者的な思想を植え付けられ、下流階級の考えを汲み取れなくなったのである。
その後、サングラスをかけるようになったアイザックからは威勢のいい言葉ばかりが出て来る。フォンツ (米ドラマ『ハッピーデイズ』のアーサー・フォンザレリ)、リチャード・ヘル、スコット・ウォーカーなど、サングラスがトレードマークの「強い人間」を自分と並べようとする。しかしすぐに彼の弱さが露呈する。「Leave Kanye out of this」はいくつかの解釈が考えられるが、双極性障害を持つカニエ・ウエストの感情の起伏の激しさを意味しているのだろう。セルトラリンは抗うつ剤で、これには性機能不全の副作用がある。つまり、彼女がアイザックにセルトラリンを使わせないようにする理由は、EDによる過去の性行為の失敗を揶揄するものであり「本気で愛して」という言葉はトラウマとしてフラッシュバックされている。
最後に使われているケムトレイルは、有害な化学物質でできたとされる飛行機雲のような跡のことだが、ここではコカインの「ホワイトライン」の暗喩である。べダレス・スクールはハンプシャーにある寄宿学校で、生徒の薬物乱用で悪名高い。シェラックは高価なネイルポリッシュのこと。裕福で心無い彼女の手から逃れようとしていることを意味している。
歌詞