A Christmas Carol – Tom Lehrer / トム・レーラー の和訳。「トム・レーラーと無駄にする夜」に収録されている、皮肉屋ならではのクリスマスキャロル。本当のクリスマス・スピリット (クリスマスの精神) とは何たるかを教えてくれる。
MV
A Christmas Carol – Tom Lehrer 和訳
[Intro]
歌の種類として馴染みのあるものに、クリスマスキャロルがありますね。今の時期だと少し季節外れかもしれません。しかし、私のDJの友達から聞いたのですが – まあ実際はそんな友達いませんが – クリスマスの時期に曲をヒットさせるためには、先回りしておくことが大事です。そういうことです。
私が思うに、クリスマスの精神とは結局与えることなんですね。毎年私たちにこの素晴らしい機会を与えてくれるからこそ、私たちが真摯に、深く信じるものについて改めて考えることができるのです。
それはもちろん、お金です。
しかしラジオや町で耳にするクリスマスキャロルのどれもが、アメリカの地でクリスマスを祝福する我々の、その本当のクリスマスの精神を捉えていないのです。つまり、商魂を。
ということで来年に向けて、もっと適切な、このクリスマスキャロルを私はお届けします。
[Verse]
クリスマスがやってきたよ、やったね
否定する人間は愚かだね
部屋の中にひいらぎかざろう
カップに注ぐ酒を、止めないで
七面鳥、アヒル、ニワトリを殺して
ポンチ酒を混ぜて、ディケンズを引きずり出そう
たとえ展望が見えずとも
ほら、またみんなで繰り返すよ
クリスマスの日に、文句は言えない
あのおじさんを好きになろうよ
そうすれば強奪時間はたっぷり取れる
あとの364日間
お付き合いのため、費用は惜しまず
無駄な食器を送ろうよ
それか同等のペンや鉛筆
(ちょうどこれ欲しかったの、素敵ね!)
どれだけ誠実かは関係ない
その精神を心でどう感じたかは関係ない
感情はそんなもの重視しない
重要なのは、金額だ
聴け!新聞社の使いの紡ぐ御歌
素晴らしき商品を売り込まん
商の人忘るな、クリスマスは
汝の財布の紐を緩め給ふべし
いと高き天より我らは聞きたり
天使たちの声「外に出て爆買いしなさい」
だから騒々しいソリのベルを鳴らそうよ
僕らの友達クリス・クリングルによろしく
トナカイが空を駆け抜けるから
飛び回る獣の下には立たないようにね
[Outro]
実は去年、私自身は良いクリスマスを過ごしたんです。一番素敵な贈り物は商品券でした。「どの病院でも使えるロボトミー券」。わりとしっかり考えられていましたね。
注釈 (元ネタ)
- Deck the hall with boughs of holly … ひいらぎかざろう
- Hark! The Herald Angels Sing … 聴け!天の使いの紡ぐ御歌 (天には栄え)
- God Rest Ye Merry Gentlemen … 世の人忘るな
- Angels We Have Heard on High … いと高き天より我らは聞きたり (荒野の果てに)