Das Model – Kraftwerk の和訳。作詞を担当したエミール・シュミットがケルンのナイトクラブで出会った「モデル」について綴った曲。英語版がドイツの楽曲で初めて全英シングルチャート1位を獲得するなど、世界的に影響を与えたテクノポップの名曲である。
シングル・アルバム情報
ミュージックビデオ・オーディオ
- Das Model (ドイツ語版)
- The Model (英語版)
和訳
彼女はモデル、彼女はとても美しい
今日僕は、彼女を家に連れて帰りたい
彼女は冷たそうで、近寄りがたい
でもカメラの前で見せる姿は、そうじゃない
ナイトクラブ、彼女が飲むのは決まってシャンパン (だよね!)
そして彼女は、その場の男を全員品定めする
スポットライトの下で輝く、彼女の若々しい笑顔
彼女はとても美しい、その美貌の対価は支払われる
消費者商品のために、彼女はポーズを決める
それは何百万人もの目に触れる
君が飾る新しい表紙、ただただ素晴らしい
また会わないと、彼女は成功者に違いない
解説
クラフトワークの曲は、車やロボットなど「モノ」をタイトルにすることが多いが、珍しくこれは人に焦点が当たっている。しかし容姿や地位ばかりに目を奪われ、女性を対象化・モノ化しているような語りっぷりである。やはり人をロボットに仕立て上げた消費社会への批判だろうか。ベクデル・テストどころかチューリング・テストすら通らないのがクラフトワークだと誰かが言っていた。
この詩を書いたエミール・シュルト (Emil Schult) はクラフトワークのメンバーではなく、デュッセルドルフ美術アカデミーにて、ディーター・ロート、ゲルハルト・リヒター、ヨーゼフ・ボイスなどから芸術を学んだ画家である。ディーター・ロートは「詩を書くためにアートで稼いでる」と言うほど詩を愛した人物で、特に彼の影響を強く受けながらエミール自身も1,000以上の詩を書いてきた。
エミールがクラフトワークと手を組んだのは1972年。「ラルフ&フローリアン」のコミックや「アウトバーン」「放射能」のカバーアートと歌詞を提供している。「モデル」に関してはもともとエミールが作詞・作曲したものだったが、曲調がクラフトワークのスタイルに合わなかったため、カール・バルトスとラルフ・ヒュッターによって現在知られている曲となった。
ところで、歌詞中に「だよね!(Korrekt!)」という謎の合いの手が入るのだが、これに関してヴォルフガング・フリューアが自叙伝『I Was A Robot』にてその詳細を語っていた。デュッセルドルフにある彼らのお気に入りのナイトクラブに行くと、必ず「いらっしゃい!シャンパン?だよねえええ!(Hallöchen! Sekt? Korrrrrrrekt!)」と言いながら半ば強制的にシャンパンを開けさせるウェイターがいたらしい。一番利益率の高いドリンクを売りつけるウェイターは、いかにもデュッセルドルフらしく、彼をわざわざスタジオまで招いてこの「コレーークト!」を収録したそうだ。
歌詞