Rap über Hass – K.I.Z / カー・イー・ツェット 和訳

Rap über Hass – K.I.Z / カー・イー・ツェット の和訳。過激な表現で批判を受けるK.I.Zが作った、更なる暴力的な曲。しかしその表現を批判している人間が、ヘイトや暴力を作り出している張本人であるということに気付いていないことが最大の皮肉である。

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和訳

「そしてもちろん、連邦大統領がこのイベントへの参加を個人的に促したという事実について話さなければなりません。ここに参加した歌手は、”ジャーナリストの口にナイフを突き刺したい”、”ドイツ国旗を燃やして暖を取り、聖書を炎に投げ入れろ”と叫んでいるのです。どんなに、ゲーリング=エッカルト議長よくお聞きください、”どんなに妊娠した女性の腹を蹴って流産させたいか”、などと言っているのです。これは暴力の美化です。非常に反ドイツ主義かつ反キリスト主義なのです…」

K.I.Z! 気温は30度 赤ちゃんはベンツの外で泣いてるぜ
俺が幼児をミディアムレアで焼いてるからな
俺のTinderのプロフィールには「お前を殺す」
俺が死んだら 最終処分場に投げ入れてくれ
お前の爺さんを乗せてるんだけど (お前の娘も、お前の姉も、光の方へ)
キャデラックで跳ねてると 狙いを定めるのは難しいな
懸垂を2千回して
もしここにヘイトマスクがないなら ポテチの袋に3つ穴を開けよう
騎馬警官は馬から落ちる
俺がそいつの頭をサムライソードで切り落としてやったから
じゃあ最高のジョークを聞いてくれ
俺は凍った湖じゃないけど 侵入したらお前の体を冷たくしてやるよ

ヘイトラップ それが俺のテリトリー
俺がラップするのはヘイト ほとんどすべての曲で
ヘイトラップ それが俺のテリトリー
暴力は答えじゃない そうあるべきじゃない

ヘイトラップ それが俺のテリトリー
俺がラップするのはヘイト ほとんどすべての曲で
ヘイトラップ それが俺のテリトリー
暴力は答えじゃない そうあるべきじゃない

ファッションチェックはクソ喰らえ 俺にはシックスパックがあるんだ
警官は俺の尿検査でうがいしとけ
お前がメンバーになりたいなら
ユリアン・ライヒェルトの頭を持って来い
タクシーに乗ってる時にドライブバイをして
俺がギロチンされた後には 頭が2つ生えて来る
俺の豪邸の壁紙はお前の白い肌
俺が死んだら 子供たちに俺を揚げてもらおう
俺の白旗は今クリーニング中だ
お前らの子供たちをズタズタにしてやるよ ハイディ・クルムみたいにな
こんなに女性差別とユダヤ人差別のヘドロだらけだから
聖書の言葉をラップしてると思われちまう

ヘイトラップ それが俺のテリトリー
俺がラップするのはヘイト ほとんどすべての曲で
ヘイトラップ それが俺のテリトリー
暴力は答えじゃない そうあるべきじゃない

クロワッサンとコーヒーのために
取り調べの間 お前が望むすべての殺人を自白してやるよ
お前の家で俺は待ってる それからアスベストみたいにお前を殺すから
警察に守られながらデモするとか 診断書を出して休むくらいヤワだな
俺は懺悔室から出て 最初の石を投げる
暴力が面白くないのか? そんなわけないだろ
自爆テロのあとは イブプロフェンを投げ入れてやるよ
ソフィア・ローレンと同じく ナチスをファックする
自分で仕留めたミンクコートの下に ライフル以外は入れてない
国の金で奢れば鼻高々 フリードリヒ・メルツみたいに
「ラップ・ウーバー・ハス」はまたトップテン入りだ
それからBPjMの前で 青酸カリを飲み干してやるさ

ヘイトラップ それが俺のテリトリー
俺がラップするのはヘイト ほとんどすべての曲で
ヘイトラップ それが俺のテリトリー
暴力は答えじゃない そうあるべきじゃない

ヘイトラップ それが俺のテリトリー
俺がラップするのはヘイト ほとんどすべての曲で
ヘイトラップ それが俺のテリトリー
俺がラップするのはヘイト ほとんどすべての曲で
ヘイトラップ それが俺のテリトリー
俺がラップするのはヘイト ほとんどすべての曲で
ヘイトラップ それが俺のテリトリー
暴力は答えじゃない そうあるべきじゃない

解説

イントロはAfD議員であるベルント・バウマンによるドイツ連邦議会での発言。これはケムニッツで開催されたWir Sind Mehrに関するもので、このフェスティバルでK.I.Zが披露した「Ein Affe und ein Pferd」と「Hurra die Welt geht unter」の歌詞を批判している。

このフェスティバルが開催されるきっかけになったのは、2018年に2人のクルド系移民がドイツ人男性を殺害した事件。その後AfDを含む右派が暴動を起こし、やがて移民や外国人を襲ったり、移民が経営する店を襲撃するなど過激化した。

殺害事件の約1週間後に急遽ケムニッツで開催されたフェスティバルが「Wir Sind Mehr」である。

その他のレファレンスは以下の通り。

  • ユリアン・ライヒェルト(Julian Reichelt) … Bildという悪評高いゴシップ紙の編集長。バウマンと同じ内容で、Wir Sind MehrでのK.I.Zのパフォーマンスへの批判記事を出している。
  • ハイディ・クルム(Heidi Klum) … ドイツのモデル。「ジャーマニーズ・ネクスト・トップ・モデル」というモデルオーディション番組で、モデルに憧れる子どもたちを扱き下ろしている。
  • 最初の石を投げる (werf’ den ersten Stein) … 聖書には「罪のない者が最初の石を投げよ」という記述がある。懺悔室はもちろん罪を告白するところなので、聖書の教えを完全に無視している。
  • ソフィア・ローレン(Sophia Loren) … イタリアの女優。映画『ふたりの女』でナチスの兵士にレイプされた役を演じている。また、ナチス政権と癒着していたアルフレッド・バウアーとも関係がある。
  • フリードリヒ・メルツ(Friedrich Merz) … 元CDU党首。富裕層からの人気を集めるための免税制度を推進している。
  • BPjM … 青少年にとって有害なコンテンツか否かを判断する機関のことで、K.I.Zの曲はここですべてリジェクトされている。最後に青酸カリを飲んで服毒自殺するのは、スロボダン・プラリャクのそれと似ている。彼はボスニア・ヘルツェゴビナ紛争中の人道に対する罪に問われ、禁固20年の判決が下されるや否や「私は戦争犯罪人ではない」と叫び、カメラの前で青酸カリを飲んで自殺した。

歌詞