Stack Shot Billy – The Black Keys / ザ・ブラック・キーズ の和訳。ロイド・プライスの「Stagger Lee」でお馴染みの、悪名高きリー・シェルトンが友人のビリー・ライオンズを殺害したストーリーを歌った曲である。
シングル・アルバム情報
Stagger Leeについて
スタッガー・リー (Stagger Lee) は、リー・シェルトン (Lee Shelton) のあだ名。1865年テキサス生まれのアフリカ系アメリカ人で、ポン引きをしていた。このあだ名がついた理由は諸説あり、「he went stag (孤独な人間) 」だったから、所有していたリバーボートの名前がスタック・リーだったから、など、様々なフォークソングが生まれたことによって迷走している。スタッガー・リーのほか、スタッグ・リー (Stag Lee) や、スタック・リー (Stack Lee) などと呼ばれることもある。
1895年のクリスマスの夜、スタッガー・リーは友人のウィリアム・ビリー・ライオンズとともに、ビル・カーティスのサロンで飲んでいた。会話が政治の話題になった辺りで口論が始まる。口論の最中にライオンズは スタッガー・リーが被っていた帽子を奪い取る。 スタッガー・リーが返却を求めてもライオンズはそれを拒んだ。すると、スタッガー・リーはライオンズの腹に向けて発砲した。ライオンズは床に崩れ落ち、スタッガー・リーは倒れたライオンズの手から帽子を取り戻してその場を去って行った。
ライオンズはその後死亡。スタッガー・リーも逮捕され、禁固25年の刑となった。1909年に仮釈放されたが、暴行と窃盗の容疑で再度逮捕された。1912年に結核で亡くなった。
ビリー・ライオンズの殺害からすぐ、この事件はフォークソングの格好の題材になり、「Stagger Lee」や「Stagolee」という曲が数々生まれた。
ザ・ブラック・キーズのこの曲の歌詞は、おそらくニック・ケイヴ&ザ・バッド・シーズの「Stagger Lee」の影響を受けていると思われる。このバージョンでは、スタッガー・リーをスーパーヴィランのように描いているため、かなり脚色が強い。
ミュージックビデオ・オーディオ
和訳
ビリーの後頭部を スタックは撃ち抜いた*1
そして確認するんだ ビリー・ライオンズが確実に死んだことを
スタックの右手には 45口径のピストル*2
約束の地へと送ってやったのさ
スタックはビリーを撃った
45口径を持って*2
スタックはビリーを撃った
ビリーは倒れて死んでしまった
スタック・リーは悪魔のような人間だ
拳銃とコカインを愛していた輩なんだ
スタックが静かになったのは 影が落ちた時
スタックは悟ったんだ じきに地獄で火炙りになると
スタックはビリーを撃った
45口径を持って*2
スタックはビリーを撃った
ビリーは倒れて死んでしまった
ビリーの後頭部を スタックは撃ち抜いた*1
そして確認するんだ ビリー・ライオンズが確実に死んだことを
スタックの右手には 45口径のピストル*2
約束の地へと送ってやったのさ
スタックはビリーを撃った
45口径を持って*2
スタックはビリーを撃った
ビリーは倒れて死んでしまった
脚注
*1 前述の通り、スタックが実際に撃ったのは頭ではなく腹である。ニック・ケイヴは「Stag put four holes in his motherfucking head ( スタッグはアイツの頭を4発撃ち抜いた )」と歌っている。
*2 実際に使用されたのは、スミス&ウェッソンズの44口径リボルバーである。ニック・ケイヴは「He had a Colt .45 ( アイツはコルトの45口径を持っていた )」と歌っている。
歌詞