I Might Be Wrong – Radiohead / レディオヘッド 和訳

I Might Be Wrong – Radiohead の和訳。絶望の中で見つけた光は長続きするものではない。救いの言葉を理解しようとする一方で、絶望の淵に立たされた苦しみが顔を出す。一進一退する歌詞にこの葛藤が現れている。

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和訳

間違いかも、間違いかもしれない
でも確かに そこに差す光を見た
前までは、前までは思ってた
もう未来はない
前までは

心を開いて、また始めればいい

滝を下って行こう
良かったことを考えて 振り返ってはいけない
振り返るな

どうすればいい? どうすればいい?
君がいなかったら?

心を開いて、僕を入れて

滝を下って行こう
一緒に良い時間を過ごそう それにはなんの意味もないから
なんの意味も、なんの意味もないから

進み続けよう
進み続けよう

解説

かつてイギリスの哲学者バートランド・ラッセルが「I would never die for my beliefs because I might be wrong. (私はこの信念のために死ぬことはない。なぜなら間違ってるかもしれないからだ)」と言った。この曲のタイトルがこれの引用なのかは不明だが、信念というものがいかに無価値ですぐに消えてしまうものであるかを表現しているという点においては、共通している。

2001年のインタビューにおいて、この曲の誕生について語られている。ある夜、外から自宅を振り返って見ると、誰もいないはずの場所に何かが家に入って行く姿が見えた。その後すぐに帰宅すると、その姿とともにこの曲をレコーディングしたそうだ。まるで怪奇現象だが、それは「いつものようにすべて妄想」だそうなので、不安定な状態だったことが窺える。

当時のパートナーであったレイチェルからは「あなたがやって来たことに自信を持って。振り返らないで、何もなかったみたいに進めばいい。だから悪いことは忘れて」と常日頃から言われていたようだ。歌詞にもそのアドバイスが「Think about the good times and never look back」に反映されている。しかしこのアドバイスをすんなり受け入れて未来が即座に明るくなったわけではなく、それを理解するまでに何カ月も苦しみ続けた。「Open up and let me in」と言っている時点では、彼女との距離が感じられる。

しかしある日、頭の中でそれらの言葉が繋がっていく。そこまでの道のりが、この曲のテーマである。

歌詞