In Der Natur – Deichkind / ダイヒキント の和訳。グリーン思考を揶揄した、全く自然と共存することのできない都会人の曲。イントロなどに使われているヨーデルは、シュティムホーン (Stimmhorn) による「Triohatala」のサンプルである。
シングル・アルバム情報
ミュージックビデオ・オーディオ
和訳
自然の中で お前は足を捻挫する
自然の中で サバイバル・ブックを読んで失敗する
自然の中で 誰かを呼んでも助けは来ない
ずっとシャワーも浴びられない お前が予約しなかったからだ
自然の中で ドキュメンタリーなら良かったが
自然の中で ネックサポーターが首を痛める
自然の中で サブスクがないと退屈だ
すぐそこから いつか道は始まるさ
新品のフリースジャケットだから こんなところは通れない
取っ手はどこにある? おい、こんなもの全部ゴミだ
この広大な土地で人っ子一人いない お前を知ってるブタもいない
そうやってここを走り回っても 自由に咳払いができるぞ
期待は高いのに この枝は低すぎる
動物たちからの視線は 受動攻撃的だ
アカウントもないし神もいない こんなもの俺の世界じゃない
誰もお前を求めてない お前のテントに雨は降る
自然の中で すべてが虫や草だらけ
自然の中で 屈むとお前の腰は凍りつく
自然の中で だんだんお前は発狂していく
そして急に お前はヘルマンプラッツに戻りたくなる
自然の中で ケーキも受付も存在しない
自然の中で 愛なんてあり得ない
自然の中で 動物は恐れない
お前はただ長い道を歩いて どこかで死ぬだけだ
この森を彷徨う
オーツミルクも暖房もない
俺の見た目は台無し ローズヒップが刺さって
棘が俺の足を切った
栗を争ってブタと戦う
太陽は俺を発狂させる
石の上で眠ると 孤独を感じる
虫歯ができた
自然の中で
それはお前を待つ
お前は見られてるぞ
解説
MVは曲のテーマである文明化だけでなく、パンデミックやウクライナ侵攻にまで触れた壮大な作品となっており、下記の作品のオマージュが盛り込まれている。
- 1968年の映画『猿の惑星』
- 1979年の映画『地獄の黙示録』
- 1982年の映画『E.T.』
- 1987年の映画『プラトーン』
- 2021年の短編映画『Irradation』
- ケイト・ブッシュのMV「Army Dreamers」
この他にも、ロボット犬を散歩させてトラクターで動き回るクリプティック・ジョーの服は、クレイグ・グリーンを模した前衛的なファッションである。また、わざわざ人のいない森に立ち入ってコロナの消毒液をばら撒くシーンは、武漢の先進的な消毒作業を模している。
そして極めつけは最後のシーン。これは『猿の惑星』のオマージュで、砂に埋まった自由の女神像を見つけるシーンのパロディ。金正恩らしき格好をしたポーキーが、プーチンの長机が埋まっているところを見て愕然とするのである。
歌詞