N95 – Kendrick Lamar の和訳。タイトルは「N95マスク」のこと。少なくともアメリカでは日常でマスクを外せるようになったが、コロナ禍という状況を利用した人間の嘘が終わったわけではない。
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和訳
こんにちは新しい世界、そしてみんな
今から本当にあった話をしよう
お前たちはまた外に戻ってきたが 奴らはまだ嘘をついてる
高級品を捨て去れ 野次馬をやめろ Wi-Fiを捨てろ
札束電話をやめろ 車のローンをやめろ 自慢もくだらない嘘もやめろ
変なジュエリーを捨て去れ 俺は10歩進んで トップ5を独占する
ストリーム数をかさ増しするな 電子レンジのミームをやめろ 外に出れば本当の世界が広がってるぞ (そいつを捨て去れ)
お前のアイドルを捨てろ ランウェイを出ろ 俺はカイロに向かう (そいつを捨て去れ)
サントロペに向かえ 5日間滞在して 25万ドルを取り出せ クソ、知ときゃ良かった (そいつを捨て去れ)
偽旗を捨てろ 知覚を捨てろ 眼帯をした警察を追い出せ (そいつを捨て去れ)
強情さを捨てろ 曖昧さを捨てろ 俺に欠けた覚悟を失くせ (そいつを捨て去れ)
演技はやめろ 意識高いフリするな 「金がない」だの、大切に思うだの、やめろ (捨て去れ)
ゴシップをやめろ 俺は金持ちだとか特別だとか思うためのロジックを作るな (捨て去れ)
シャネルを捨てろ ドルチェを捨てろ バーキンを捨てろ (捨て去れ)
デザイナーものは全部捨てろ その後お前に何が残る?
ビッチが
お前はクソほど醜い (お前は手に負えない)
2台のATM
見栄を張ってんのか? (お前は手に負えない)
奴らは誰の話をしてると思ってんだ?
俺たちの話だ (お前は手に負えない—撃て、撃て、撃て)
奴らは誰のマネをしてると思ってんだ? (バン、バン、バン、バン)
俺たちのコピーだ (お前の居場所に戻れ)
世界はパニックに陥る 女は取り残され 男は走り回る
予言者は見捨てられ 法律は利用され 市場は壊れる 事業者が求めるのは
奴隷たちを箱の中で眠らせる間 俺たちを嘲笑うこと
これを人生ゲームだと思うな 愛を探せば 一夫一妻制でもなくなる お前らは全員搾取される
あれは何だ?と飛びつくが 感じられるときにはリラックスしないと
俺の子孫はみんな俺が眠っているときに現れて 俺がリアルすぎると言う
神経質な自分はもういい 自分のこととして考え過ぎるから 黒人と白人のそれももういい 何が正しくて間違ってるのかなんて
お前は変化と聖職者を求めるが 埋葬で泣き叫ぶ感情を俺は知ってる
ビッチが
お前はクソほど醜い (お前は手に負えない)
2台のATM
見栄を張ってんのか? (お前は手に負えない)
奴らは誰の話をしてると思ってんだ?
俺たちの話だ (お前は手に負えない—撃て、撃て、撃て)
奴らは誰のマネをしてると思ってんだ? (バン、バン、バン、バン)
俺たちのコピーだ (お前の居場所に戻れ)
カッコつけたなら 干ばつで踊ってくれ
ビッグ・ステッパーに挨拶しよう 奴らは数えることを決して忘れない
隠れ家で吐き出せ 隠れ家で吐き出せ
真実をすべて吐いていいのか? 俺に失うものはない
俺には問題とプールがある この信念の中で泳げるさ
俺が動けばカメラも動く 俺が作るものすべて家族は訴える
殺人は重ねられ 大統領は演技をして 政府は俺の銀行預金に税を課す
俺の休憩中に仲間はFBIを呼び寄せている 俺の反応を見てくれ 俺の虹彩がスケートしてるだろ
少し考えようぜ
美学のためにお前が何をするか言ってみろ
クレジットでお前の魂を売るのか?
レバレッジでお前の仲間を売るのか?
偽善者はどこにいる?
奴らだけが理解者だと どのコミュニティーが感じてるって?
偽善者はどこにいる?
奴らだけが理解者だと どのコミュニティーが感じてるって?
お前は手に負えない お前は手に負えない (キツい現実)
凡人を喜ばせることは もうやめろ (キツい現実)
クズになってる昔からの友達を喜ばせるだけ (キツい現実)
お前の人生ってどんなもんだ? 戯言とゴシップだろ (キツい現実)
キャンセル・カルチャーって何だよ?
お前に言いたいことを言わせろ 俺はオプラみたいなもんだ
俺はジガみたいにお前らクソどもを扱う 見ろ、俺が全部をかっさらう
批評家が怖いって? そんなルールはねえよ (ビッチが)
脚注
- fake woke
「woke」は差別などの社会問題に意識を向けることを意味する。その頭に「フェイク」がつくと、差別反対の声を上げる自分に酔っている人、あるいはビジネスに利用している人など、「woke」でいることをファッションと捉えているような層への批判の意味が込められる。同様に「fake deep」も、ありもしない同情心を見せつける人のことを指す。
- Monopoly
モノポリーは資本主義者のための人生ゲーム。この曲では、贅沢品を捨てろといったマテリアリズムをチクチクと刺す言葉が続いている。「money phone」もそのうちの一つで、札束を携帯に見立てるセルフィーのことであり、金を持っていることを誇示したいラッパーがよく行っている。
パンデミックにより格差が広がったことは、まるで「モノポリー」でもしているかのようだ。実際、イーロン・マスクのようなアメリカの超富裕層はパンデミックの間に資産が二倍になっているが、残りの99%は貧しくなっている。そうやって全員搾取される/犯される (get fucked) ので、モノガミー (一夫一妻制) は保たれない。
- big stepper
アルバムタイトルにもある「big stepper (ビッグ・ステッパー)」とは抜け目のないギャングのことである。「never losin’ count」は札束やドラッグを数えるところを想像すれば良いだろう。
- cancel culture
不祥事を取り立てて著名人の活動を妨げる風潮を「キャンセル・カルチャー」と呼ぶ。オプラ・ウィンフリーやジェイ・Z (ジガ)のように、その「文化」を批判しているのがこの曲である。
歌詞