Arbeit Macht Frei – The Libertines / ザ・リバティーンズ 和訳

Arbeit Macht FreiThe Libertines / ザ・リバティーンズ の和訳。タイトルは「働けば自由になれる」という意味で、強制収容所の門に書かれていたことで有名な言葉。ナチス政権がもたらした惨状を目撃しても、人々から差別感情が消えないことを皮肉った曲である。

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和訳

巻き上げた煙草
看守は言った そいつが生きる道は、シャベルで穴を掘って、友達を焼き殺すことだと
死にゆく人々
門にはこう書かかれていた「働けば自由になれる」

彼女は髪をカーラーで巻いて 煙草をふかす
彼女は貧困街の階段を清掃した そこへ巡回する警官はいない
彼女の父親は
黒人もクィアも嫌っていた

しかし彼はナチスを倒したことに誇りを持っている
なんてクィアなんだろう

働けば自由になれる

解説

舞台は第二次世界大戦中、ナチスの強制収容所。「Arbeit Macht Frei」が掲げられていた強制収容所では、囚人を死体焼却施設の作業に従事させていた。ここでは他の囚人の遺体を焼けば、本人は生き残れる、つまり「働けば自由になれる」ことを身をもって知るのである。

via WikiCommons

すぐに舞台は戦後のイギリスへと移り変わる。「カーラーを巻いて煙草をふかす女性」は、この時代の典型的な女性の姿。そして彼女の父親は典型的な思想の持ち主である。イギリスは戦勝国であり、ファシズムと人種差別の象徴とも言えるナチスドイツに勝利して鼻高々になっているが、彼自身は依然として黒人やホモセクシャルへの差別意識が強い。しかしその差別意識の根本が、ナチスドイツと同じであることには気づかない。

queer (クィア)」という言葉はかつて「奇妙な」という意味で使われていたが、現在では差別的表現に当たるため、ほぼ使われない。「How queer (なんて奇妙なんだ)」という表現は、いかにもホモフォビアな人が使いそうな言葉である。

歌詞