Daddy’s Home – St. Vincent / セイント・ヴィンセント 和訳

Daddy’s Home – St. Vincent の和訳。2010年はセイント・ヴィンセントの名が知れ渡るようになった年でもあり、彼女の父親が逮捕された年でもある。しかし「Daddy’s Home (パパが家に帰ってきた)」は釈放された父親のことを意味しているだけではない。

シングル・アルバム情報

ミュージックビデオ・オーディオ

監督はビル・ベンツ (Bill Benz)。彼女のモキュメンタリーである『The Nowhere Inn』のほか、「Pay Your Way in Pain」のMVも手掛けている。

和訳

面会室ではサインを書いてた
この前あなたを待ってたときにね 502番*1

パパが家に帰ってきた*2

あなたはまだ政府のグリーンスーツを着てる
見下ろせば 私の足には高級なイタリア製シューズ*3
私たちは固く結ばれてるの ページがくっついた聖書みたいに
あなたは刑期を務めたけど 私も同じだから*4

パパが家に帰ってきた

パパが家に帰ってきた パパは家にいる パパは家にいる
パパが家に帰ってきた パパは家にいる パパは家にいる パパは家にいる

すべてのピューリタンが 改革を祈ってる*5
あなたは責任を果たしたことを誓って 制服の金を借りた
生まれた時は全員が無実 でも聖人がどこかでヘマをしたんだろうね
どこに走っていくの? アウトローが染みついてる人は?

Ow
パパが家に帰ってきた
パパが家に帰ってきた
(パパが家に帰ってきた パパは家にいる パパは家にいる)
(パパが家に帰ってきた パパは家にいる パパは家にいる パパは家にいる)
(パパが家に帰ってきた パパは家にいる パパは家にいる)
(パパが家に帰ってきた パパは家にいる パパは家にいる パパは家にいる)
パパが家に帰ってきた


脚注

*1 2010年にアニーの父親は「風説の流布 (pump and dump)」で逮捕された。釈放されるまでの9年間でアニー自身は「セイント・ヴィンセント」として人気を博し、グラミー賞受賞ミュージシャンとしてその地位を確立した。その知名度は刑務所の面会室でもサインを求められるほどだ。それと同時に、父親とは心理的な隔たりが大きくなっている。受刑者番号である「502番 (inmate 502)」と呼んでいることがそれを示してる。

*2 「Daddy’s Home」は複数の意味に捉えられる。まず単純に「daddy」が「父親」を指しているのであれば「(刑務所から釈放されて) パパが家に帰ってきた」という意味だろう。また、それが「sugar daddy (性交渉を持つ代わりに経済的援助を行う男性)」を指すのであれば、主従関係の「主」を意味する。しかしここではアニーが「Daddy’s Home」と言っているため、「daddy」はアニー自身のことを指していると思われる。つまり自身を支配している「daddy」が自分に宿ったことを表し、「パパ」という他人に頼る必要がなくなったことを宣言している。

*3 ここでも、父親と娘の対照的な姿が強調されている。国から支給された囚人服しか持っていない父親とは反対に、刑務所では目立つような高級感溢れるイタリア製シューズをアニーは履いている。

*4 これは比喩的な意味で、父親が刑に服して家にいない間、アニー自身も囚人のような気分でいたことを意味する。

*5 ピューリタン (Puritan) は、キリスト教プロテスタントのグループで、イングランド国教会の改革を唱えた。

歌詞