Fahr mit mir (4×4) – Kraftklub / クラフトクルプ feat. トキオ・ホテル 和訳

Fahr mit mir (4×4) – Kraftklub / クラフトクルプ の和訳。自由の地を目指してラーダ・ニーヴァに乗り込め、という保守主義からの解放の曲である。初コラボとなるトキオ・ホテルがドイツ語で歌うのも珍しいが、政治色の強い曲に関わるのも珍しい。

MV

Fahr mit mir (4×4) – Kraftklub feat. Tokio Hotel 和訳

奴らと俺のことだけど
この人生において 俺たちはもう機能しないと思う
口論ばかりだ
ずっと口論ばかりだ 過去のことを

ごめん
ふるさと省ってものが 俺にとってのふるさとじゃないんだ*1
だからここには居られない
もう遅すぎるんだ お前も同じ気持ちなら乗り込めよ

一緒に乗り込め (ラーダ・ニーヴァ) 4×4に (ラーダ・ニーヴァ)*2
1600km 森と牧草のピオネール
一緒に乗り込め (ラーダ・ニーヴァ) 4×4に (ラーダ・ニーヴァ)
アスパラガス畑を越えて 俺が出て行く時は もう戻ることはない

芝刈りをして ゴミは分別して
結婚から12年 花畑にウェーバーグリル
あんなに良い雰囲気で 奴らはそこに立ってるが
見ろよ 俺たちが事故を起こすように祈ってやがる

奴らはあんなに小さい 水平線に見える姿はあんなに小さい
俺たちは進み続ける これから何が起こるか楽しみだ
俺たちがどこに向かってるかは分からない
でも焦るな 俺たちには永遠の時間があるから

一緒に乗り込め (ラーダ・ニーヴァ) 4×4に (ラーダ・ニーヴァ)
1600km 森と牧草のピオネール
一緒に乗り込め (ラーダ・ニーヴァ) 4×4に (ラーダ・ニーヴァ)
アスパラガス畑を越えて 俺が出て行く時は もう戻ることはない

でもいつか この場所は
旗のなびかない農地になるんだ*3
ルールも、刑罰も、法律もない
ただし、フランツ・ヨーゼフ・ヴァグナーが反対する生き方をしろ*4

一緒に乗り込め (ラーダ・ニーヴァ) 4×4に (ラーダ・ニーヴァ)
1600km 森と牧草のピオネール
一緒に乗り込め (ラーダ・ニーヴァ) 4×4に (ラーダ・ニーヴァ)
アスパラガス畑を越えて 俺が出て行く時は もう戻ることはない

ラーダ・ニーヴァ、ラーダ・ニーヴァ
ラーダ・ニーヴァ、ラーダ・ニーヴァ

一緒に乗り込め 4×4に
アスパラガス畑を越えて 俺が出て行く時は もう戻ることはない

注釈

*1 「ふるさと省 (Heimatministerium)」とは、ドイツ連邦内務省のこと。2018年に内務相となったホルスト・ゼーホーファーが「Innenministerium (内務省)」という名称を「Bundesministerium des Inneren und für Heimat (連邦内務・故郷省)」に改名した。この「Heimat」という言葉を「ふるさと」と訳しているが、とても愛国主義的な、統一主義的な意味合いが含まれるため、改名時には相当な批判を浴びた。2021年にナンシー・フレイザーが内務相に新任されたものの、この名称はそのまま引き継がれている。

*2 ラーダ・ニーヴァとは、ロシア最大の自動車メーカーであるアフトヴァースが製造している小型SUV。四輪駆動車であるため「ラーダ4×4」とも呼ばれる。ラーダ・ニーヴァで逃走するといえば、映画『50年後のボクたちは (原題: Tschick)』のストーリーと重なる。この物語では、学校生活も家庭生活もうまく行っていない14歳の臆病な少年と、ロシアからの移民としてやって来た不良少年が結託し、盗んだラーダ・ニーヴァに乗って「ワラキア」という自由の国へ向かうのである。

*3 ここでの農地は「クラインガルテン」と呼ばれる、賃借制度を利用した農地のことである。この農地に旗が立っていないということは、国の支配から逃れたことを示している。

*4 フランツ・ヨーゼフ・ヴァグナー (Franz Josef Wagner) はタブロイド紙「BILD」で執筆している、保守派のコラムニスト。

歌詞 / Original Lyrics