Blood and Rockets – The Claypool Lennon Delirium / ザ・クレイプール・レノン・デリリウム 和訳

Blood and Rockets – The Claypool Lennon Delirium / ザ・クレイプール・レノン・デリリウム の和訳。ロケット科学者であったジャック・パーソンズの半生を歌った曲。ロケット燃料の開発に大きく貢献した人物だが、オカルトにのめり込んで評判を落とし、実験中に命を落とした。

シングル・アルバム情報

ミュージックビデオ・オーディオ

和訳

発射15秒前、誘導システムは慣性です*1
12、11、10、9
点火開始
6、5、4、3、2、1、ゼロ
全エンジンが稼働
発射!

裏庭で実験を開始した、ジャック・パーソンズ*2
少年の頃から、行き過ぎたところがあった
でも本当の問題が始まったのは、彼が別の放火魔を見つけた時だ
一緒になると、彼らは星に届く準備ができた
そして二人は様々な爆発物で遊び始め
ジャックは地元の火薬会社で盗みを働いた
軍隊は若きロケット科学者の集団を作り
誰も成し遂げていないことを、彼らがやってくれると期待した

どれだけ高く
君のロケットは飛ぶだろう?
気をつけろよ、少年たち
もしかすると
その世界に火をつけるしれない
気をつけろよ、少年たち
君は世界に火をつけるかもしれない

そしてジャックはアレイスター・クロウリーの従順な信者となった*3
彼は銀の星の一員になるという誓いを立てたのだ
パサデナにある彼の美しい家は、乱交の場として悪名高く
毎晩エレウシスの秘儀が執り行われた
彼の会社が、かの有名なジェット推進研究所になった時には
その評判のせいで彼は業務を続けられなくなる
そしてその錬金魔術儀式がまたひとつ終わると
彼の体は、血と瓦礫の山で発見されたのだった

どれだけ高く
君のロケットは飛ぶだろう?
気をつけろよ、少年たち
もしかすると
その世界に火をつけるしれない
気をつけろよ、少年たち
君は世界に火をつけるかもしれない

どれだけ高く
君のロケットは飛ぶだろう?
気をつけろよ、少年たち
もしかすると
その世界に火をつけるしれない
気をつけろよ、少年たち
気をつけろよ
君は世界に火をつけるかもしれない

汝の意志することを行え*4
愛は法なり
汝の意志することを行え

僕を月に連れて行ってくれ

脚注

*1 アポロ11号の打ち上げ時の台詞。

*2 ジャック・パーソンズは中学校の成績が悪く、見た目の女々しさと上流階級というステータスからいじめを受けていた。そんな時に出会ったのがエドワード・フォーマンである。エドワードは労働者階級ながらもジャックをいじめっ子から庇い、SFやロケットの趣味を共有できる友達であった。そして彼らはジャックの裏庭で自家製の火薬を使った危険なロケット実験を始めたのである。また、ジャックはこの頃から既にオカルトにも興味を持っており、寝室で悪魔を呼び出す儀式をしていた。ジャックらの功績が認められたのは1943年のこと。ジャックは爆発性物質を制御できるよう正確に調合することができたため、ロケット燃料の開発において大きく貢献している。

*3 アレイスター・クロウリーはセレマ思想を提唱したオカルティスト。のちに「銀の星」という魔術結社を創設している。米政府はジャックのこのような個人活動を懸念し、彼の持っていたエアロジェット株を買収、実質的にジャックを業界から追放した。それからジャックのオカルト信仰は更に加速し、今度はL・ロン・ハバードの教えによる儀式を行うようになった。政府からの仕事をもらえなくなった後は、映画の特殊効果を作る仕事に携わるようになる。1952年、裏庭で実験をしていた時、不慮の爆発により37歳で夭折した。

*4 アレイスター・クロウリーのセレマ。

歌詞