Görlitzer Park – K.I.Z の和訳。ゲルリッツァーパークはベルリン・クロイツベルクにある公園。麻薬密売など犯罪の絶えない場所として悪名高い。ベルリン出身の3人は様々な問題を指摘しつつ、地元の人々にとって欠かせない場所である側面も強調している。
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和訳
ゲルリッツァーパーク、ゲルリッツァーパーク
ゴミ箱からペットボトルを探す老人
狂人は妄想の中、独り言を言って
叫ぶ、自分だけに見える相手に向かって
ゲルリッツァーパーク、この町の中心部
ファルケンシュタイン通りは西アフリカだ*1
ディーラーは昼も夜も忙しく働く
ここまでやって来れたのは特にタフな人間だけ
海、そしてリビアの刑務所を生き抜いてきた人間
コカイン、それともMDMAが欲しいか？
パーティー目的の観光客は3日間起きたまま
ATMで金を下ろす
ゲルリッツァーパーク、ゲルリッツァーパーク
潰れた奴もいれば、スターになった奴もいる
マッハに起きた当時の事件を覚えてるか？*2
生き残った、でも危機一髪だった
ラゴス、カメルーン
そういった小さな国々から
俺たちはスペインに来た
そしてキャンプに連れられ
そして俺はここにいる、すぐに罪悪感を感じた
家族の借金
とにかく今はなんとかして、どんな手段を使ってでも金を手に入れないと
家へ仕送りするために
ゲルリッツァーパーク、ゲルリッツァーパーク
朝10時、シュナップスを飲むアル中
パンク野郎はレジを掴み
セキュリティがそいつの鼻を泥に叩きつける
ゲルリッツァーパーク、ゲルリッツァーパーク
金曜日の礼拝、隣のモスク
安らかに眠れよディミ、あまりにも早い死
シュレージでは今、1UPが電車をペイントしている*3
クロイツベルクからチャートのトップへ
「ハーネンカンプフ」から「ラップ・ウーバー・ハス」まで*4
スタジオのマットレス、俺たちはここで頑張る
マキシムは睡眠中、俺はコーヒーを淹れた
ゲルリッツァーパーク、ゲルリッツァーパーク
遊び場では、砂の中に針がある
レイシャル・プロファイリング、国家によるいじめ
麻薬探知犬、何かを嗅ぎつける
ゲルリッツァーパーク
ゲルリッツァーパーク、ゲルリッツァーパーク
新聞の見出しで、俺たちは大笑いした
町の反対側の人も
こう言いながら「すごいね、たかが公園なのに」
店が閉まり、店が開き
店が閉まり、挨拶をする
ウォリアーズハウスから出てきた、アッバース、マックス、アストリット、タイフン、ギョクハンへ
こんにちは、警察が来た
警察は去った、また戻ってきた
そして2グラムのハッパと3錠で祝う、俺がゲルリッツァ―パークでしたのと同じように
いずれにしろ、家主たちは全員を追い出すことになった*5
俺は振り返って尋ねる「オーツミルクはないんですか？」
去年いつもここにいた、ホームレスの女はどこへ行ったんだろう
ゲルリッツァーパーク
ゲルリッツァーパーク、ゲルリッツァーパーク
メーデー、デモ、俺たちは屋根にぶら下がる
ハインリッヒ広場で何かが燃え上がる
そしてバイエルンの警察が街中を駆け回る
ゲルリッツァーパーク、ゲルリッツァーパーク
18歳の時、サーヴァシュみたいな音を作りたかった*6
最初は断られたが、数年後
ロイヤル・バンカーとレコード契約した
ゲルリッツァーパーク、ゲルリッツァーパーク
マンションはもうすぐ完済だ
それはよく似てる
俺が10代の頃、絵具を投げつけたアパートに
アイランとケバブを食べていた金額で
今日はコーヒー１杯を飲む
俺の地元は36だ
でもゲルリッツァーパークでは、観光客のように映る
ゲルリッツァーパーク
なんて夏だ！ プリンツェンバートに侵入しようぜ*7
今俺はゲルリで座り、ハトに餌をやる
脚注
*1 ファルケンシュタイン通り (Falckensteinstraße) は、ゲルリッツァ―パーク近くの通り。西アフリカから出稼ぎに来たディーラーが多く集まる場所。
*2 マッハ・ワンはクロイツベルク出身のラッパーで、「Urlaub fürs Gehirn」でもフィーチャーされている。過去にクロイツベルクのシュレージッシェス・トール駅で敵対するグループからナイフで刺され、肺を貫通する重傷を負ったことがある。
*3 シュレージはシュレージッシェス・トール駅のこと。1UPはベルリンのグラフィティグループ。
*4 「ハーネンカンプフ (Hahnenkampf)」は彼らの2枚目のアルバム、「ラップ・ウーバー・ハス (Rap über Hass)」は6枚目のアルバム。
*5 時が移り変わり、従来の家賃で住めなくなったことを意味している。オーツミルクなどの高級志向も物価上昇に貢献している。
*6 クール・サーヴァシュは1990年代からベルリンのヒップホップシーンを牽引するラッパー。K.I.Zはロイヤル・バンカーというレコード会社と契約し、デビューアルバムをリリースしている。そして成功して富を得たわけだが、自分が買ったマンションはかつて自分が軽蔑していた人々が暮らしていた家に似ており、ここで立場が逆転していることを自覚する。そして自身がクロイツベルク「36」出身であるにもかかわらず、ゲルリッツァーパークで疎外感を感じている。
*7 アウトロは「So Alt」からのサンプル。プリンツェンバートはクロイツベルクにある屋外スイミングプール。
歌詞