Der Tag wird kommen – Marcus Wiebusch / マークス・ヴィーブッシュ 和訳

Der Tag wird kommen – Marcus Wiebusch / マークス・ヴィーブッシュ の和訳。ホモフォビアが根強いプロサッカー界において、カミングアウトすることの難しさが語られる。

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和訳

その日はやって来る
俺たちはグラスを掲げて
天井を突き抜けて舞い上がり
祝福の乾杯をするんだ
それを掴んだ第一人者のために
最も勇敢な者のために
それに成功した第一人者のために
その日は全員で
愛と自由と人生を祝福しよう
誰もが思い通りに愛せばいい
そして他人は黙っていればいい
それを勝ち取る日
その日はいつか来る

その日は来るさ
困難を抱えながらも前に進んできた
どれだけ時間がかかるかは関係ない
農家が知らないこと
理解できないことはまず拒絶される
その考えや思想は反対されてきた
特に必要とされるものは実現可能だ
自由や平等のように
本当に不可能なものや 変えられないものなんてない
「腰抜けはもう十分だ」と言って誰かが前に進むなら
自由の意識とともに 歴史は動く
俺たちは直立歩行してるんだ
もう穴の中で暮らす必要はない
棍棒を振り上げて人を殺す必要もない
小さな集団で移動するな
いつまでも全員がホモフォビア野郎でいるわけじゃないから

ユースAクラス
ヴィルヘルムスブルク・サウス
陰謀集団
そのなかの一人が この流れを変えることができる
他の誰よりも 才能と意思を持った者が
「こいつはプロになるだろうな」
俺たちは誇らしげにそう思うんだ
U-17、U-19 ハンブルクの選出
ホームゲームのほとんどで スカウトは行われる
オファーが来るのも時間の問題だ
ファーストリーグ 3年経てば夢は叶う
そして契約の夜には 騒ぎたいところだが
彼は俺たちに託したんだ だから何も変わらない
疑う人もいるだろう ずっと前から知っている人もいるだろう
何人かは知ってるんだ 俺たちは気にしないが
ストレートだろうがゲイだろうが 俺たちは気にしない
子どもの頃から 俺たちは一緒にサッカーをプレーしてきた
ひとつの仲間、ひとつのチーム、ひとつの「ユール・ネヴァー・ウォーク・アローン」
そうやって教えられたんだ そうするべきなんだ、息子よ
酔って流れる涙と 安堵が広がる
その日は 全く同じ理由でやって来る
なぜなら 誰を愛すかで俺たちは人を判断しないからだ
彼らのセックスは彼らのこと そんな仕打ちを受けるべきじゃない
バカ中のバカに決めつけられて
バカ中のバカに決めつけられて
そして奴らからも決めつけられる
そして彼は夢を掴み 別の都市へと離れて行く
そして俺たちは秘密を守った
家に戻って連絡を取り合った

盛大なマスカレードでは目立つな
エージェンシーが女の子をあてがって ファサードも提供してくれる
フェイクの休日写真も  パブリックイメージも
待つんだ 何もかもが表に出ることを
目立とうとするなよ フィールド上で全力を出せば
イエローカード10枚、レッドカード2枚 それが妥当だ
わかってるだろ 俺はそんな狡いプレーヤーじゃない
今や俺は リーグトップの嫌われ者だ
お前にはわからないだろ
いつもマスクをつけて
いつも神経を尖らせなきゃいけない
どういう人間で どう生きるべきか考えながら
絶え間なく不安の渦にいる
そしてそのクズを最大限演じるんだ
強い渇望
どうなるかという疑問
ここの誰かになれたなら
このキャリアを持って
この悲しい人生を変えられたなら
自分の感情を優先したことはない そういうものなんだ
20年ほど前 俺たちは一緒にスタジアムにいた
そこで有色人種の選手にバナナが投げつけられた
ボールに触れるたびに響くサルの鳴き真似
そんな時代は終わったが それに続く神の導きはない
でも進んでいる、変わっている 俺たちはその道の最中にいる
外務大臣にも、ポップスターにも、ラグビー選手にも見せてやろう
うまく行くんだと
以前なら考えられなかったが 今では普通だ
どうせ90%にとってはどうでもいいことだ
あのホッとした感覚を覚えてる
すべてが明るみになったとき
その言葉が出ると 君の胸は張り裂けそうだった
2週間 奴らは騒ぎ立てたが
それも鎮火した
そして君は平和を見つけたんだ
どのクラブも騒動を嫌う
どのチームも警戒を嫌う
そして俺の契約は 来たときと同じくらい早く去って行った
いつ嵐が起きるかは 誰にもわからない
そしてその嵐は 望まなくてもやって来る
君は当初ホモだった フリークだった
君をサッカー選手としてだけ見る人はいなかった
でもそうだ 状況は良くなってる その日は見えている
誰かがやってくれる でもそれは俺じゃない

それは君の判断だ
誰がどう言おうが関係ない
去り際に囁いた
「ウィズ・ホープ・イン・ユア・ハート」
意見は一致した いつかその日が来ると
そして次のホームゲームでは 勝利するだろうと
帰り道
あの考えが浮かんで
笑みがこぼれた

ホモフォビア野郎も 愚かなヘイターも
フォーラムの荒らし屋も 机上の殺戮者も
増幅する傷みを抱える 意地の悪い偏屈者も
心にヘイトを抱える 聖書引用野郎も
同じ意見しか言わない役人も
頭の固い群れも 本当の男とやらも
一緒になって 陣形を組もう
そして何が起こるか 見ておこう

解説

コーニー・リットマン (Corny Littman) は、2002年から2010年までFCザンクトパウリの会長を務めた。もともと起業家として活躍していた彼は、1971年、18歳のときにゲイであることをカミングアウトしている。当時ゲイであることは、ドラッグ中毒者、アルコール中毒者、ホームレスと同等の扱いであったとインタビューで語った。

LGBTの問題が提起される前から、サッカー界では人種差別事件も多く起きている。曲中にあるように、黒人選手に対してバナナを振りかざしたり、サルの鳴き真似をする行為も多く見受けられた。しかしこの曲がリリースされた2014年には、スタジアムに投げ込まれたバナナを拾い上げて食べ、平然とプレーを続けたダニエル・アウヴェスの行動が大きな話題となった。

曲中で触れられている「ユール・ネヴァー・ウォーク・アローン (You’ll Never Walk Alone / 君は一人じゃない)」は、リヴァプールFCのアンセムソングとして歌われている曲。「ウィズ・ホープ・イン・ユア・ハート (With hope in your heart / 君の心に希望を)」はこの曲の歌詞にある言葉で、この曲のメッセージと重なっている。

歌詞