Poor Black Mattie – R.L. Burnside / R. L. バーンサイド の和訳。「Coal Black Mattie」や「Old Black Mattie」などのタイトルでも知られる、ヒル・カントリー・ブルースの定番曲。
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和訳
憐れな黒人マティ、服の着替えもない
彼女は酔っ払ってるから、扉を閉めてくれ
憐れな黒人マティ、服の着替えもない
彼女は酔っ払ってるから、外へ服を投げ捨てた
メンフィスへ、ワールドフェアを見に行こう
そこに行く理由は、彼女がいるから
メンフィスへ、ワールドフェアを見に行こう
そこに行く理由は、彼女がいるから
ベッドのそばに、暖炉なんていらない
なぜなら彼女が、チェリーレッドにしてくれるから
ベッドのそばに、暖炉なんていらない
彼女がチェリーレッドにしてくれるから
彼女がチェリーレッドにしてくれるから
解説
こういった作者不詳のブルースにありがちだが、何かが抜け落ちてしまったような歌詞だ。1番目のバースから読み取れるのは、マティが自分で服を投げ捨ててしまうほど酔っ払っているということだけで、結局マティとは一体どういう人物なのか、何が起きたのかよく分からない。その後は、どうもマティとは関係なさそうな話が続く。
The Delta Reviewによると、メンフィスでは「ワールドフェア」と呼ばれるような世界的な催しが行われたことはないらしい。メンフィスという言葉さえなければ、1904年のセントルイス万国博覧会が一番あり得そうなのだが、メンフィスであれば1919年のメンフィス誕生100周年祭が一番大きな催しだったようだ。
そして最後のバースでは、チェリーレッドの女性が現れる。「チェリーレッド」という表現は「ブラック」との対比だ。この女性はマティとは別人ということだろうか。
この曲で現在一番新しいリリースがザ・ブラック・キーズの「Coal Black Mattie」。クレジットがレイニー・バーネットになっていたが、歌詞はR.L.バーンサイドバージョンというか、スタンダードなバージョンで上記とほぼ変わらなかった。
しかしレイニー・バーネットのバージョンを聴いてみると、メンフィスに行くくだりがなく、「see my jumper, hanging out on the line」みたいな聞き覚えのある歌詞が並ぶ。なんだか浮気を匂わせるような内容だ。
ジュニア・キンブローの「Old Black Mattie」も、他と少し変わっていた。泥酔マティは一緒なのだが、その後に「かつて二人は付き合っていた、良い女は来ては去って行く」「孤独な自分はワールドフェアに行かない」と続く。メンフィスとは言っておらず、3番のバースがバッサリ切られている。
というわけで結局あまり空白は埋まらなかったが、マティと別れて別の女性に乗り換えたという認識で間違いはなさそう。
歌詞